アルミニウムストレス下で分泌されるアルミニウムキレート物質の解析
Project/Area Number |
09760058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Plant nutrition/Soil science
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
馬 建鋒 岡山大, 資源生物科学研究所, 助手 (80260389)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | アルミニウム / キレート物質 / 有機酸 / エビスグサ / 特異的分泌 / 排除機構 |
Research Abstract |
本研究は植物のアルミニウム抵抗性機構のうち,排除機構の解明を目的とし,特にアルミニウムストレス下で根から分泌されるアルミニウムキレート物質に着目して,これらの物質の単離,同定及び分泌特性の解析を行った.主な研究成果は以下の通りである. 1.アルミニウムキレート物質のスクリーニングを行った結果,アルミニウム耐性の強いソバ,エビスグサ,緑肥ダイコン,ナタネの根の分泌液から,アルミニウムキレート活性が検出された. 2.これらの物質を各種クロマトグラフを用いて精製,同定した結果,ソバの根からシュウ酸,エビスグサの根からクエン酸,緑肥ダイコンとナタネの根からクエン酸とリンゴ酸が分泌されていることが明らかとなった. 3.エビスグサにおいてアルミニウムによるクエン酸の分泌特性を解析した結果,クエン酸の分泌はAl処理(50μM Al)後最初の6時間まではほとんどなく,その後急激に増加した.クエン酸の分泌量はAl処理濃度が高くなるにつれ、増加した.またクエン酸の分泌はリン酸欠乏(10日間)によって誘導されず、ランタン(La^<3+>)、イッテルビウム(Yb^<3+>)によっても誘導されなかった.さらに,クエン酸の分泌はアルミニウム処理を解除した一日後,認められなくなった.これらの結果はクエン酸の分泌はAlによって特異的に誘導されることを示している.アルミニウムイオンがクエン酸と錯体を作ることによって毒性がなくなる.従って、エビスグサにおいて、クエン酸の特異的分泌はAl排除機構の一つと考えられる.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)