Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
植物の成長ホルモンであるエチレンの生合成前駆体である1-aminocyclopropane-1-carboxylic acid(ACC)を脱アミノ化して,2-オキソ酪酸に変換する酵素ACC deaminaseの立体構造をX線結晶構造解析法により解明し,その反応機構を原子レベルで解明することを目的として研究を進めた. 構造解析は,大腸菌で大量発現した酵母由来のACC deaminaseを用いて行った.シンクロトロン放射光を使って回折強度データ収集を行い,ネイティブ(分解能2.A),PHMBS共結晶の高分解能(2.5A以上)の回折強度データを得ることができた.本研究では,すべて結晶を100Kに冷却した条件でデータ収集を行ったため,結晶間での同型性が崩れ,また,PHMBS共結晶では,別の結晶系のものも得られた.このため,位相決定は,PHMBS共結晶を用いた多波長異常分散法により行い,さらに,同一結晶内での分子内および結晶系の異なる結晶間での非結晶学的な分子の対称性を利用した分子置換平均化法を用いて位相改良を行った結果,解釈可能な電子密度図を得ることができた.この電子密度図に基づいて,立体構造モデルを作製し,分子動力学的手法を用いた精密化を行った結果,水分子825個を構造因子の計算に含め,分解能8-2.0AでR-factorが24.9%、(R_<Free>=28.2%)の構造を得ることができた. 酵母ACC deaminaseは,ホモ二量体として存在し,それぞれの単量体分子は,大小2つのドメイン構造をとっていた.大きな方のドメインは,N末端およびC末端の領域(1-57,170-341)から構成され,補酵母であるpyridoxal phosphate(PLP)が結合している.小さな方のドメインは,中央の領域(58-169)から構成され,基質結合に関与していると考えられる.
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