Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
細胞質分裂は、細胞分裂の最後に細胞質が二分される段階であるが、等価な娘細胞を複製するために、時間的・空間的に厳密に制御されている。本研究は、細胞質分裂の分子細胞生物学的碩究に有利な細胞性粘菌を用い、細胞質分裂の制御に関わるタンパク質の同定と機能解析を目的としている。これまで、細胞質分裂変異株を利用して,IQGAP様タンパク質GAPAと新規タンパク質CykAを同定した。平成10年度は,CykAタンパク質の機能解析を中心に研究を展開した。まず,細胞質分裂における形態変化をtimelapse videoを用いて観察したところ,CykA欠損細胞では、分裂溝の形成は正常に起こるが、GAPA欠損細胞と同様、中央体の分離にある頻度で失敗するため細胞が多核化することがわかった。また,ヘマグルチニン(HA)エビトーブとの融合タンパク質を作成し,CYkA欠損株で発現させたところ,HA-CykAはCykA欠損株の細胞質分裂の欠陥を相補した。この細胞を用いて間接蛍光抗体法によりHA-CykAの局在を検討したところ、CykAは細胞の表層に局在し,細胞質分裂中は,娘細胞のleading edgeに強く濃縮するパターンを示した。さらに,CykA欠損細胞においても、ミオシンの分裂溝への局在は正常に見られた。これらのことから、CykAは,分裂溝の形成や収縮よりむしろ,娘細胞の分離のための細胞運動に関わっている可能性が示唆された。さらに,CykAの,普遍的な機能を明らかにするため,ESTの配列データベースに対するホモロジー検索で得られた部分配列をもとに、ヒト(2種)とラット(1種)由来のCykA類似タンパク質のcDNAをクローニングし,その全塩基配列を決定した。現在、これらCykA類似タンパク質の機能を解析するため、動物培養細胞系による検討を開始した。
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