細胞の増殖・分化における3′-リン酸化イノシトールリン脂質の役割
Project/Area Number |
09760072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永田 諭志 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (40246682)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 3′-リン酸化イノシトールリン脂質 / PIP_3 / ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ / モノクローナル抗体 / 競合法ELISA / 細胞内局在 / 細胞分化 / 細胞増殖 / ホファチジルイノシトール / モノクロナール抗体 / 細胞内情法伝達 |
Research Abstract |
3'-リン酸化イノシ卜ールリン脂質は、細胞を増殖・分化因子刺激した際に活性化されるホスファチジルイノシトール3-キナーゼによって生産され、核への刺激伝達、細胞骨格の再構築、細胞内小胞輸送など多面的に働く2次メッセンジャーであると考えられている。本研究では細胞応答における3'-リン酸化イノシトールリン脂質の役割を明らかにするために、ホスファチジルイノシチド-3,4,5-3リン酸(PIP_3)に特異的なモノクローナル抗体の作製を行った。 その結果PIP_3に特異的なモノクローナル抗体を各4クローン得た。このうち、#11と名づけた抗体が、最も高い反応性を示し、各種リン脂質を用いたリポソームリシスアッセイ、ELISA、PIP3アナログを用いた沈降反応などの解析から、PIP3のリン酸化イノシトール環を主に認識し、グリセロール骨格の一部もエピトープ構造に含むと考えられた。この抗体のサブクラスはIgG3であり、各種アッセイにおいて比較的高い非特異反応性を示したため、非特異反応性が低い抗体の取得を目的として、#11抗体のIgGlクラススイッチ変異体の取得を行ったとごろ、非特異反応の減弱した同一特異性のクローンを得ることができた。この#11-IgGlを用いて、PIP3測定のための、競合法ELISAを構築したところ、検出感度20nMのELISAを開発することができた。本方法は今まで、測定が困難であったPIP3量の測定に広く応用され得るものと考えており、細胞内でのPIP3動態の解析に役立つと考えられる。一方、得られた#11抗体の可変領域をクローニングすることにも成功しており、今後組み換え抗体の細胞内に発現による、種々細胞機能抑制や、組み換え抗体とGFPとの融合蛋白の細胞内発現による、PIP3の細胞内局在の可視化などにより、PIP3の働きを明らかにしていく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)