電気泳動法による膜タンパク質の新規な精製法の開発と応用
Project/Area Number |
09760133
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
食品科学・栄養科学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森山 達哉 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (60239704)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 膜タンパク質 / 電気泳動 / 精製 / ジアシルグリセロール / リパーゼ / HMG-CoAレダクターゼ / プロテアーゼ / 小胞体 / コレステロール |
Research Abstract |
申請者は、成人病に関与する脂質性の食品成分の分子レベルでの役割と作用機構の解明を目指している。一般に、脂質成分の関与する反応の多くは生体膜周辺に存在するタンパク質(酵素)によって達成されるので、これらの研究にとって膜タンパク質の構造と機能の解析は不可欠である。しかしながら、可溶性タンパク質に比べ、膜タンパク質では精製や機能解析の技術はまだまだ困難である。本研究では、膜タンパク質の機能解析法と電気泳動法を用いた精製法の開発と応用を目的とした。昨年度は、電気泳動法、メンブランブロット法及び活性測定を組み合わせた膜タンパク質の活性同定法(Blot-Assay)を開発し、小胞体膜上に存在する膜タンパク質であるHMG-CoAレダクターゼの調節的分解のメカニズムや関与する膜結合プロテアーゼのキャラクタライゼイションを行った。本年度はNative PAGE、等電点電気泳動、SDS-PAGEの3つの電気泳動法を連続的に行うことによって可溶化した膜タンパク質(膜酵素)を同定・精製する方法を開発し、その方法を用いてこれまで精製の不可能であった膜酵素であるジアシルグリセロールリパーゼをヒト血小板膜画分から精製することに成功した。精製した本酵素の分子サイズは33kDaで、等電点は6.0であった。本酵素の諸性質を調べたところ、至適pHは7-8、活性はカルシウム非依存的で、セリン残基阻害剤やシステイン残基阻害剤によって活性は阻害された。したがって、活性発現にこれらの残基の存在が重要な役割を担っていることが示唆された。さらに、興味深いことには、本活性は細胞質型ホスホリパーゼA2に対する阻害剤で効果的に阻害され、これら2つの脂質加水分解酵素の構造や触媒機構の類似性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)