Project/Area Number |
09760147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林学
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
吉本 敦 宮崎大学, 農学部, 助教授 (10264350)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 森林経済学 / オペレーションズ・リサーチ / 確率モデル / 森林資源利用 / 確率動的計画法 / 確率微分方程式 / 計量経済学 / 森林成長論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、木材価格と言った経済要素並びに森林資源成長の将来的な不確実性を考慮できる最適森林利活用を探求する最適確率制御システムを構築することである。 1. まず不確実現象を表現できる確率モデルの構築を行った。対象としたモデルは価格に依存するボラティリティを仮定した非線形確率微分方程式である。ここでは合計13の確率微分方程式を仮定した。モデル定数の推定には局所線形近似法によった。この方法は非線形関数を局所的に見れば線形関数により近似可能であることに着目した推定法である。ここで構築した13個のモデルを13樹種の木材価格データを用いて定数を推定し、パフォーマンス比較をAIC推定量により行った結果、モデルと樹種により最適なものが異なり、モデル選択の必要性を示すことができた。 2. 現在、森林成長モデルの開発が必要とされているが、汎用性に富んだ成長モデルは未だに開発されていない。そこで本研究では現在成長予測に使用されている収穫表と密度管理図を用いて、より現実のデータを反映し成長予測可能なモデルの構築を試みた。九州地区のスギ密度管理図と熊本県スギ収穫表を用いて、元来用いられて来た密度管理図内のモデル定数の修正を試み、収穫表の予測値への回帰を行った。その結果、密度管理図内のモデルが柔軟になっていないことが分かり、今後の修正の課題を示すことができた。同時に実際に使用されている収穫表との乖離が把握できた。 3. 確率動的計画法による最適確率制御モデルの構築に際して、間伐といった経営オプションを考慮するには至らなかった。さらに今後のアルゴリズム開発が必要であることを示すことができた。同時にデータ整備が早急の課題であることも認識できた。確率現象などはデータ収集により、不確実性の度合いをより正確に捉えて行く必要があり、そのためにも効率の良いモニタリング手法の開発も不可欠なる。
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