Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
本研究は,軟弱地盤の変形および間隙水圧の消散に関する,新しい変形予測モデルを開発することを目的とする.ここでいう予測モデルは,従来の土質試験結果のみならず,原位置における地盤の変形計測結果,間隙水圧の測定結果から逐次更新され,将来の変形,間隙水圧の消散を予測できるものを意味する.平成10年度は,次の項目にしたがって検討した. (1) 統計的非線形圧密モデル用いた新たな逆解析手法の開発を行った.今回は,土のせん断による非線形性を考慮するため,双曲線モデルを用いた非線形解析も実施した.また,間隙水圧計測結果を利用する方法について重点的に検討した. (2) モデルの検証のため,室内圧密実験を実施した.室内実験により比較的計測誤差のない変位および間隙水圧の計測結果を得ることができる.特に,実験試料としては,カオリン粘土を用いた.試験は,標準圧密試験装置,ベロフラム型圧密試験装置,三軸圧密試験装置を用いて行った.ベロフラム試験装置に関して,10年度は,大型(試料寸法φ10cm x hl0cm)の圧密セルを用いた実験を実施した.大型セルを用いることにより,間隙水圧の計測が比較的容易になった.三軸試験に関しては,拘束圧と軸圧を独立に付加する異方圧密を実施し,試料にせん断変形を生じさせた. (3) 室内実験結果を用いて,逆解析モデルの検証を行った.その結果,非線形モデルの同定には間隙水圧の計測結果が変位の計測結果とともに重要であることが明らかとなった.また,二次元問題の場合,短期間の計測結果を用いて変形予測を行う場合は,線形弾性モデルを用いてヤング率,ボアソン比,透水係数を同定するのが有効であるとの結論を得た. (4) 現位置の計測結果を用いて,本逆解析手法の実問題への適用性の検討をした.この場合も,上記の室内試験結果を用いる場合と同様,変位のみならず間隙水圧の計測結果を用いると精度のよい予測結果を得ることが明らかとなった.
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