日本とタイにおけるPennisetum属草種とマメ科牧草との混植栽培の適応性
Project/Area Number |
09760244
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Zootechnical science/Grassland science
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
石井 康之 宮崎大学, 農学部, 助教授 (50211032)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | Pennisetum属草種 / クロタラリア / セスバニア / ピジョンピィー / 混植 / 移植時間 / 乾物生産性 / 葉群構造 / 粗蛋白質含量 / in vitro乾物消化率 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,平成10年度では現在緑肥作物として栽培されている暖地型マメ科牧草のセスパニアクロタラリア及びピジョンピィーと種子繁殖が可能なハイブリッドネビアグラス(パールミレット×ネビアグラス,以下HN)との混檀栽培体系の確立に当って,マメ科牧草の播種時期がHNとの競合関係に及ぼす影響を両者(HN:マメ科牧草)の混植比率を1:5に保って検討し、単植区と比較した。 1. HNの生産性に対する播種時期の影響は,初生草の生長が劣る区ほど再生草の生長が優れ,その影響の程度は、セスバニアとの混植で最も顕著であった。 2. 初生草では、マメ科牧草の草高がクロタラリアとピジョンピィーではHNと同程度であったが、セスバニアではHNより高くなり、このため、HNの乾物重はセスバニアとの混植で大きく抑制された。再生草の生長は、播種時期が遅いほどセスバニアでは高く、一方クロタラリアとピジョンピィーでは低くなり、HNの生長量はマメ科牧草のそれに反比例していた。 3. 混植区の乾物収量はマメ科牧草の栽植間隔が密なため、1番草ではマメ科牧草との各混植区がHN単植区をいずれも上回ったが、2番草ではHN単植区がセスバニアとの混植区と同等に最も高くなった。 4. 群落構造を示す平均葉群傾斜角(MTA)と群落吸光係数(K)との間には、有意な負の相関関係があり、MTAが高く葉が直立するほどKの値は低下し、セスバニアとの混植でその傾向が強くなった。 5. 混植区の乾物収量に対するマメ科牧草の播種時期の影響をみると、早播きほど1番草ではHNの乾物重が低下し、マメ科牧草の乾物重は増加した。2番草では、HNの乾物重がマメ科牧草の再生量により抑制を受け、早播きほどクロタラリアとピジョンピィーとでは低下し、セスバニアとでは増加した。混植区の全乾物収量は、1番草では早播きほどマメ科牧草の比率とその収量が高いことによって多収になった。2番草では、セスバニアを除いて、早播きほどマメ科牧草の比率が高いものの、HNの収量が抑えられて低収となった。 6. 以上の結果から、早播きほどマメ科牧草の比率が高まったが、HNの収量は抑制された。特に、セスバニアの旺盛な初期生長はHNを抑制しやすく、セスバニアとの混植では、遅播きにより年間の乾物収量と適正な草種比率が保たれた。すなわち、適正な播種時期により暖地型青刈り飼料草の飼料品質の向上と乾物生産性の確保が図られることが示唆され、長草型のマメ科草とのHNとの混播栽培法の確立により,高品質で高い乾物生産性を示す栽培法の可能性が実証された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)