Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
昨年度はムスカリン受容体刺激はイノシトール3燐酸(IP3)による細胞内ストアからのCa^<2+>放出により,細胞膜イオンチャネルの活性化を起こすことを明らかにした。本年度はカフェイン感受性ストアの機能とIP3受容体との関係について、カフェインによる膜電流と細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]i)変化を同時測定することにより検討した。また,単一細胞からのカテコールアミン放出測定のため炭素電極を用いたアンペロメトリー法を確立し、ムスカリンとカフェインによる分泌反応の性質を調べた。(1)保持電位-60mV以上では,カフェインにより一過性の[Ca^<2+>]i増加反応に伴い,外向き電流が発生した。(2)Ca依存性Kチャネル遮断薬のアパミン及びカリプドトキシンはカフェインによる[Ca^<2+>]i増加に影響を与えず,外向き電流を抑制した。(3)カフェインによる電流及び[Ca^<2+>]n増加反応は細胞内ストアCaポンプ阻害薬のシクロピアゾン酸により可逆的に抑制された。(4)カフェインによる[Ca^<2+>]i増加反応は、細胞内へのIP3適用により消失したが、内因性リアノジン受容体アゴニストであるサイクリックADPリボース適用では影響を受けなかった。(5)同一細胞でムスカリンとカフェインによる[Ca^<2+>]i増加と外向き電流反応の大きさを比較すると、約半数の細胞ではカフェインによる[Ca^<2+>]i増加はムスカリンに比べて小さいか,同程度であるにも拘わらず,ムスカリン反応より大きな外向き電流を誘発した。(5)膜電位固定した単一細胞において、カフェイン,ムスカリン共に[Ca^<2+>]i増加反応に伴い、カテコールアミン分泌を誘発した。これらの成績から、モルモット副腎髄質細胞において,カフェインはムスカリン(IP3)と同じ細胞内ストアからCa^<2+>を放出させることにより、ムスカリン同様に細胞膜のCa^<2+>依存性K^+チャネルを活性化させると共に、カテコールアミン放出を引き起こすが、カフェインによる細胞内ストアからのCa^<2+>放出部位はIP3とは異る可能性が示され、副腎髄質細胞におけるカテコールアミン分泌並びにイオンチャネル制御様式がIP3とカフェインで異なることが示唆された。
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