微小管細胞骨格による電位依存性カルシウムチャネルの制御機構
Project/Area Number |
09760266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
海野 年弘 岐阜大, 農学部, 助手 (90252121)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 平滑筋 / ムスカリン受容体 / 電位依存性カルシウムチャネル / パッチクランプ / 細胞骨格 / 微小管 / フォスフォリパーゼ |
Research Abstract |
モルモット回腸平滑筋の電位依存性カルシウムチャネル電流は、ムスカリン受容体刺激により一過性とその後に持続性に抑制される。我々はこれまでの研究から、一過性と持続性の抑制効果発現に微小管細胞骨格が関与することを見いだした。しかし、受容体の刺激から抑制効果の発現に至る過程において、微小管の重合、脱重合がどのように関わっているのかは明らかになっていない。本研究ではこの点を明らかにする目的で、微小管細胞骨格の重合・脱重合を制御することが知られている情報伝達因子のうちどの因子がムスカリン受容体と連関しているかを検討した。 1、フォスフォリパーゼCおよびD阻害薬のウオルトマンニンとD609は、一過性と持続性抑制の発現を阻害した。2、非選択的蛋白キナーゼ阻害薬のスタウロスポリンとチロシンキナーゼ阻害薬のゲニステインは一過性と持続性抑制の発現に影響を与えなかった。3、一過性抑制はイノシトール3リン酸による細胞内ストアからのCa^<2+>放出に起因する。微小管を破壊するコルヒチンは、ストアからのCa^<2+>放出には影響を及ぼさずに一過性抑制の発現を阻害した。4、持続性抑制の発現もコルヒチンの処置により抑制された。微小管を重合させるタクソ-ルはCaチャネル電流を抑制した。タクソ-ルは、ムスカリン受容体刺激で生じる持続性抑制の場合と同様に、Caチャネル電流の不活性化過程を促進して不活性化曲線を過分極側に移動させた。これらの結果から、一過性と持続性の抑制効果発現にフォスフォリパーゼの活性化が関与すること、一過性抑制の発現経路の内、ストアから放出されたCa^<2+>によるCaチャネルの抑制機構に微小管が関与すること、持続性抑制は微小管の重合により発現することが考えられる。以上の成績は、第124回日本獣医学会および第71回日本薬理学会年会で発表し、投稿中論文2編としてまとめた。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)