イヌのグルタミン酸輸送体の機能と構造およびその遺伝的変異に関する研究
Project/Area Number |
09760270
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
佐藤 耕太 鳥取大学, 農学部, 助手 (50283974)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | グルタミン酸 / 輸送 / 遺伝 / 変異 / 赤血球 / 脳 / 神経変性疾患 / イヌ / 膜輸送 / 遺伝的変異 |
Research Abstract |
昨年までに申請者らはイヌ脳グルタミン酸(Glu)輸送体のcDNAクローニングからイヌ赤血球型輸送体サブタイプがGLAST型であることを明らかにした.この結果に基づき,遺伝的にグルタミン酸輸送活性が低い赤血球(低Glu酸輸送;LGT)および完全に活性を欠損した赤血球(Glu輸送活性欠損;D)を有する日本犬の家系についてGLAST遺伝子および蛋白質の解析を行った.各形質のイヌ個体について骨髄細胞由来GLAST cDNAの塩基配列の決定を行ったところ,LGTおよびD型の両方にGLAST蛋白質の492番目のアミノ酸残基GlyのSerへの置換をもたらす変異(G492S)の存在が確認された.しかしながらG492S GLASTはXenopus oocyte発現系において正常と同様な輸送活性を示すことから,この変異自体はsilent polymorphismであるものと考えられた.一方,イムノブロット法によるGLAST蛋白質の検出を試みたところ,イヌ赤血球においてGLAST蛋白質は66kDaのポリペプチドとして検出され可溶化の条件により二量体(130 kDa)を形成することが明らかになった.これらの蛋白質量を比較することにより各形質のイヌ赤血球におけるGLAST蛋白質の発現状況について検討したところ,LGT赤血球ではGLAST蛋白質量の減少,またD型赤血球では完全な消失が認められた.このことからGlu輸送活性の異常(低下あるいは欠損)はGLAST蛋白質の質的な変化よりはむしろ量的な減少によって生じていることが明らかになった. また,RT-PCR法により各形質のイヌ骨髄細胞よりGLAST mRNAの検出が十分可能であることから,この変化はposttranscriptionalな異常によるものと考えられた.さらに,G492S変異を利用したPCR-RFLPから転写活性の低下したGLAST遺伝子の存在も示唆されており,これらのイヌにおいて多様なGLAST遺伝子の変異が複雑に関与し形質を決定しているものと考えられた.
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)