交感神経節におけるPACAP/VIP系の作用に関する研究
Project/Area Number |
09770060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋本 均 大阪大学, 薬学研究科, 講師 (30240849)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | PACAP / VIP / 受容体 / 交感神経 / NGF / MAPキナーゼ / PC12細胞 / 上頸神経節 / 副腎 / 転写調節 |
Research Abstract |
PACAPおよびVIPはペプチドホルモンであり、中枢・末梢神経系において、神経伝達物質・調節因子としての働きをしている。既に交感神経系の上頸神経節や副腎髄質の節後主細胞およびクロム親和性細胞にPACAP受容体とPACAPが強く共発現することを示し、PACAPがこれらの細胞の活性化において、オートクリンされ節内調節因子として働いている可能性を示唆したが、本年度の研究においては以下の各検討を行いそれぞれの知見を得た。 副腎髄質クロム親和性細胞由来PC12細胞において、未分化な形質の細胞をクロム親和性細胞様に分化させる神経成長因子(NGF)によって、PACAP遺伝子の転写活性が促進され、この作用はPACAP自体による刺激でも認められ、NGFとPACAPの作用は相乗的であった。この転写の活性化はmRNAレベルの増大としても観察され、刺激後4時間で最大となった。その発現増強には、MAPキナーゼ系の活性化を介し、C-キナーゼの活性化も一部介することが明らかになった。一方NGFによって、PACAP受容体の発現も誘導されることが、転写、mRNA、受容体の機能の各レベルで確認された。 交感神経細胞において、MAPキナーゼは、分化または増殖の細胞内シグナルに重要な役割を果たすが、分化を誘導する場合は、MAPキナーゼの持続的な活性化が必要と考えられている。PACAPは、MAPキナーゼを持続的に活性化することが報告されており、NGFによる刺激後、短時間にPACAPの産生が亢進し、その受容体発現も増加した結果を併せると、PACAPは、MAPキナーゼシグナルの持続的な活性化を促進するオートクリン因子として、交感神経細胞の成熟分化に関与する可能性が強く示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)