シグナル伝達を担うキナーゼの細胞内における活性測定法の開発と応用
Project/Area Number |
09770068
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology (1998) Aichi Cancer Center Research Institute (1997) |
Principal Investigator |
稲垣 直之 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (20223216)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | シグナル伝達 / イメージング / CaMキナーゼII / リン酸化抗体 / Rho-キナーゼ / ビメンチン / 細胞内小器官 / dendritic spine / Cdc2キナーゼ / グリア |
Research Abstract |
1) カルシウムとCaMキナーゼIIによるシグナル伝達の同一細胞での活性測定法の開発 申請者は、これまでに細胞骨格蛋白質ビメンチンSer82のリン酸化をモニターするモノクローナル抗体を作成し細胞内のCaMキナーゼIIの活性を測定する方法を確立している。今回、この方法とカルシウム顕微鏡を組み合わせることにより同一細胞におけるカルシウムとCaMキナーゼIIによるシグナル伝達を可視化することに成功した。その結果カルシウムシグナルの細胞内分布がCaMキナーゼIIのシグナル伝達の細胞内分布を限定することがわかった。このことからカルシウムシグナルが細胞内において空間的な情報として下流分子へ伝わることが示唆された。 2) CaMキナーゼIIとRho-キナーゼの細胞質、細胞膜、核、シナプスにおけるシグナル伝達の可視化法の開発 ビメンチンのヘッドドメインにシグナルペプチドを付けて細胞内の細胞質、細胞膜、核に発現させ、それを基質として細胞内小器官に特異的なCaMキナーゼIIとRho-キナーゼ活性をイメージングすることに成功した。この方法を用いてNMDA受容体の活性化により海馬ニューロンの後シナプスdendritic spineに限局したCaMキナーゼIIのシグナリングが起こることを証明した。CaMキナーゼIIはLTPなどのシナプスの可塑性に関与すると考えられており、このことから、後シナプスdendritic spineに限局したシナプス伝導の調節が行われる可能性が示唆された。 3) Cdc2キナーゼによるビメンチンリン酸化モニターを応用した発生脳における分裂グリア細胞の同定 ビメンチンは胎生15日から生後15日のラット脳においてグリア細胞に特異的に発現し、ニューロンでは認められない。また、Cdc2キナーゼは分裂細胞に特異的に活性化される。申請者はこれを応用し、Cdc2キナーゼによってリン酸化されたビメンチンを特異的に認識するモノクローナル抗体をもちいて発生脳における分裂グリア細胞の同定に成功した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(19 results)