分裂酵母をモデル系とした真核生物のG1/S期制御機構の解析
Project/Area Number |
09770070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 晃一 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90282615)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 分裂酵母 / 増殖 / 細胞周期 / DNA複製 / ストレス / Cdc2キナーゼ / Spt1 / Cdc24 / G1 / S期 / サイクリン / 分化 |
Research Abstract |
1. sptl^+遺伝子の機能解析:sptl^+遺伝子産物はDNA複製前複合体と相互作用してS期を制御することが示されている。今年度は更に、G2/M期進行に欠損を示すcdc2ts、cdc13ts、cdc25ts変異がsptl^+遺伝子の過剰発現により抑圧されること、Δsptl cdc25ts二重変異株が合成致死となることを発見した。このことは、SptlはG2期におけるCdc2キナーゼの活性制御にも必要であり、より広範な細胞周期制御に関与することを示唆している。また、sptl破壊株はストレスによる増殖抑制を解除できない表現型を示すが、その際の増殖停止はG2期でおこる。Cdc2キナーゼを再活性化できないことが増殖停止の原因である可能性が高いが、野生型株とsptl破壊株との間でCdc2キナーゼのチロシン残基のリン酸化レベルに差がないこと、sptl破壊株の表現型がcdc2の活性化型変異によって抑圧されないことから、Sptlはリン酸化以外の制御機構でCdc2の活性を調節していると考えられる。GFP融合タンパクを用いて細胞内局在性を観察したところ、Sptlは核膜に存在した。現在、SptlがCdc2やCdc13の局在に影響を与えている可能性について検討中である。 2. cdc24^+遺伝子の機能解析:sptl^+と強く遺伝学的な相互作用を示すcdc24^+遺伝子について解析を進め、S期の完了に必須の役割を担っていることを明らかにした。また、cdc24変異の多コピー抑圧遺伝子としてPCNAとRFCのlarge subunitをコードする遺伝子を単離した。免疫沈降の実験により、これら3種のタンパク質は細胞内で複合体を形成していることが示されたことから、Cdc24はDNA複製装置の一員として機能している可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)