血管系細胞の細胞間シグナル伝達系に対する酸化ストレスの影響
Project/Area Number |
09770093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 英世 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (60235380)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 酸化ストレス / 低密度リポタンパク質 / 血管平滑筋 / グルタチオン / シスチン / アスコルビン酸 / 一酸化窒素 / 一酸化炭素 / 血管細胞 / マクロファージ |
Research Abstract |
血管系細胞とマクロファージとの相互作用は、血圧調節や動脈硬化など生理的、病理的にも重要である。特に動脈硬化の成立には酸化的に変性した低密度リポタンパク質(LDL)が重要な要因のひとつであることが知られるようになってきた。本研究では、血管系細胞のシグナル伝達系に対する酸化LDLなどの酸化ストレスの影響を明らかにするために、まず、血管平滑筋の抗酸化系の制御機構を調べ以下の結果を得た。 1、 ヒト血管平滑筋に酸化LDLを負荷した時、形質膜上でのシスチンの輸送活性が増大した。また、基質特異性などの結果から、これがシスチン、グルタミン酸の交換輸送を担うX_C^-系であることを示した。 2、 シスチン輸送活性の上昇に伴なって細胞内グルタチオンレベルも増加した。 3、 低分子抗酸化物質のひとつとして知られているアスコルビン酸を平滑筋細胞に24時間負荷した後、酸化LDLを添加するとシスチン輸送活性および細胞内グルタチオンの上昇が、アスコルビン酸濃度依存的に抑制された。 以上のことから、血管系細胞のひとつである血管平滑筋細胞にも、マクロファージや血管内皮細胞で見られたような酸化ストレスに対する防御系が存在することが明らかとなった。また、アスコルビン酸は、血管平滑簡に対し酸化LDLによる酸化ストレスを軽減する作用のあることが示唆された。 今年度の結果は、昨年度の成果と合わせて、血管系細胞およびマクロファージのシグナル伝達系における酸化LDLの影響を考察するうえで有用な知見であると考えられる。なお、本研究の成果は、論文および総説として発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)