新たな癌転移抑制因子として単離されたコラーゲン結合性セルピンの基礎的研究
Project/Area Number |
09770106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
小崎 健一 愛知県がんセンター, 病態学研究室, 研究員 (50270715)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 癌浸潤・転移 / 細胞外マトリックス / コラーゲン / セルピン / マウス皮下移植自然転移モデル |
Research Abstract |
癌細胞が浸潤・転移する際には細胞外マトリックス(ECM)を通過することが必須であり、生体内における癌細胞による各種ECMとの接着あるいはECM産生・分解の分子機構の解明は浸潤・転移の制御と阻止法の開発へつながることが期待される。本研究において、癌転移に関連する分子の単離・同定を目的に、癌細胞が分泌するECM分子結合蛋白質を検索した結果、I型とIII型コラーゲン分子に対して特異的に結合する分子量45kDaのコラーゲン結合性セルピンcaspin(collagen-associated serpin)を独自に見出し、マウス結腸癌細胞colon26皮下移植自然転移モデル系の転移性が異なる亜株間でin vivoにおける転移性とcaspin発現量が逆相関すること、免疫組織化学的解析によってcaspinが胎発生期のマトリックス構築に極めて重要な因子であることを報告した。さらに、Caspin cDNAをCMVプロモーター支配下につないだ発現コンストラクトを高転移細胞株に遺伝子導入したcaspin遺伝子導入細胞株を作成し、これらを用いたin vitroとin vivoの解析によって、腫瘍増殖能やその組織型に対するcaspinの影響は認めないが、癌転移成立過程には抑制的に関与する可能性が示唆された。caspinのヒト・ホモローグであるPEDF遺伝子は、新たな癌抑制遺伝子の存在が指摘されている第17染色体短腕13.3領域(17p13.3)上に位置することから、caspin/PEDFが17p13.3上の標的癌抑制遺伝子である可能性も示唆される。現在、caspin/PEDF遺伝子のヒト癌症例における異常の検索を、17p13領域のへテロ接合性の消失やPCR-SSCP法、ノザン法、サザン法などによって進めつつある。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)