発癌におけるTGF-βシグナル伝達系関連遺伝子の役割
Project/Area Number |
09770113
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
秋山 好光 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (80262187)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | TGF-β / Smad3 / 大腸癌 / HNPCC / 大腸腺腫内癌 / TGF-βII型レセプター |
Research Abstract |
近年、TGF-βシグナル伝達系の異常と発癌との関係が注目されており、その関連遺伝子であるTGF-βII型レセプター(RII)やSmad(Smad2とSmad4)遺伝子の異常が遺伝性非腺腫症性大腸癌(HNPCC)や一部の散発性癌で検出されている。本研究では、大腸癌の発癌機構を明らかにするため、HNPCCおよび散発性大腸癌でTGF-βシグナル伝達系関連遺伝子を調べた。 1) HNPCCにおけるTGF-βRIIの解析 1家系のHNPCCでTGF-βRIIの生殖細胞変異を検出し、この遺伝子がHNPCCの原因遺伝子の一つであることを明らかにした。 2) Smad3遺伝子の解析 Smad3はSmad2およびSmad4と同様に、TGF-βシグナル伝達に強く関連しているが、その異常と発癌との関係は不明である。我々は、Smad3遺伝子のゲノム構造を解析し、9個のエクソンからなることを明らかにした。散発性大腸癌とHNPCC腫瘍について、Smad3遺伝子を解析したが、異常は検出されなかった。従って、大腸癌の発癌におけるSmad3の関与は低いと推測した。 3) 大腸癌の発生とTGF-βシグナル伝達系関連遺伝子との関係 大腸癌発生は、腺腫から癌が発生する腺腫-癌説と正常粘膜上皮から直接癌が発生するdenovo説の2つに大別される。両者の代表的な例として、腺腫-癌型には腺腫内癌や隆起(ポリープ)型早期癌、de novo型には陥凹型早期癌が考えられている。そこで散発性の腺腫内癌、隆起型および陥凹型早期大腸癌についてTGF-βRII遺伝子を解析した。TGF-βRII遺伝子の異常はそれら3種類の癌ではほとんど見つからなかった。現在、それらの癌でSmad2およびSmad4の異常の有無を検討している。
|
Report
(2 results)
Research Products
(18 results)