Project/Area Number |
09770134
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
|
Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
金井 弥栄 国立がんセンター, 研究所病理部, 室長 (00260315)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 膀胱がん / 移行上皮がん / 上皮内がん / インテグリン / ラミニン / 上皮内進展 / scattering |
Research Abstract |
膀胱がんに関する多くの臨床病理学的研究から、膀胱内にしばしば広汎な進展を示す上皮内がん(CIS:carcinoma in situ)は浸潤性結節状がん(nodular in vasive carcinoma)の前駆病変と考えられている.がん細胞の上皮内進展が浸潤性結節状がん成立のための重要なステップであると考え、本進展様式の分子機構を解明することを本研究の目的とした.ヒト膀胱がん細胞6株をSCIDマウス腎盂、膀胱に移植しがん細胞の上皮内進展(IES:intraepithelialspreading)の有無を組織学的に検討した.3細胞株が腎盂、膀胱においてIESを示した.これらIES細胞3株と上皮内進展を示さない非IES細胞3株、不死化移行上皮細胞2株の細胞形態、接着能、運動能を細胞外基質上で検討した.ラミニン(LN)上における培養で、IES細胞3株だけがコロニーをつくらず強く分散(scattering)する特徴を有していた.さらに、接着能、遊走能、運動能を詳細に検討すると、IES細胞だけがLNに対する高い接着能、遊走能、運動能を有していた.LN受容体として機能するインテグリンの発現をウェスタンプロット法、免疫沈降法で検討したところ、IES細胞ではインテグリンβ_4の発現が著明に低下しており、インテグリン_<α6>β_1の発現が優位であった.インテグリンβ_4をIES細胞に遺伝子導入し細胞形質の変化を検討したところ、β_4導入細胞においてはLN上での接着能、遊走能は変わらないものの運動能が低下した.また、β_4導入細胞においてはマウス腎盂でのIESが抑制されていた.ヒト膀胱がん手術材料を免疫組織化学的に検討したところ、膀胱上皮内がんインテグリンβ_4の発現低下が認められた.以上より、膀胱がんの上皮内進展には、インテグリンβ_4の発現低下とそれに基づくLN上での運動能の亢進が関与していると考えられた.
|