Project/Area Number |
09770161
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
鈴木 容子 (平林 容子) 国立医薬品食品衛生研究所, 安全性生物試験研究センター・毒性部, 主任研究官 (30291115)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 造血幹細胞 / 細胞動態解析法 / ブロモテオキシユリジン / 近紫外線 / ブロモデオキシユリジン |
Research Abstract |
本研究の目的は以下2部に大別される。即ち、1)造血幹/前駆細胞の動態解析法として、新たに近紫外線照射ブロモデオキシュリジン(BrdU)標識細胞殺傷法(BUUV法)の樹立をはかること、2)その方法を用いて、各種遺伝子変異動物(ρ53欠失マウス、他)の造血幹細胞/前駆細胞の細胞動態解析を行うことである。本年度はそれぞれについて概略、下記の通り進めた。 まず1)に関しては、GM-CSF添加培養性コロニー形成造血前駆細胞について検討を重ね、ほぼ安定した結果を得るに至った。尚、BrdUの標識方法において、個体投与とin vitro投与による標識を比較した結果、in vitro標識では、37゚C30分間の孵置時間内に人為的に新たに細胞回転に入る分画が存在し、その結果不当に細胞回転内分画が大きくなることが明らかとなった。即ち、これまでトリチウムチミジン自殺試験法によって得られてきた造血幹・前駆細胞の細胞回転分画の計測結果も同様のartifactを含むことを意味する。今後、こうした視点から従来の結果の再検討を進めたい。次に、2)に関しては、p53遺伝子欠失マウスの造血前駆細胞動態について、2-1)定常状態と、2-2)白血病誘発性化学発がん物質としてベンゼンの暴露状態下での解析を行った。2-1)定常状態;培養性造血前駆細胞では、ワイルドに比べて単位時間あたりの細胞回転分画が大きくBrdUを取り込む細胞分画の増加は緩徐だが、プラトーレベルには差異を認めなかった。2-2)ベンゼン墨露:5日/週×2週のベンゼン吸入暴露の最中にBrdU標識した結果、ワイルドの造血前駆細胞動態がほぼ完全に抑制されていることが明らかとなった。この抑制はp53欠失マウスを用いた場合には観察されなかったことから、ワイルドでの細胞動態抑制にはp53分子が関与していることが示唆される。今後ここに関与する分子の解析を進める予定である。 結果の一部は 米国血液学会(マイアミ・米国、12月4〜8日、1998年)、日本毒科学会(名古屋6月17〜19日、1998年)などで発表した。 1
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