Project/Area Number |
09770167
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
寄生虫学(含医用動物学)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久枝 一 徳島大, 医学部, 助手 (50243689)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 熱ショック蛋白質 / HSP65 / トキソプラズマ / アポトーシス / マクロファージ / 宿主寄生体相互関係 |
Research Abstract |
トキソプラズマの強毒株(RH株)、弱毒株(Beverley株)を用いたマウス感染モデルで宿主の感染抵抗性とHSP65の発現には密接な相関があることを報告した。すなわち、弱毒株感染では腹腔マクロファージにHSP65が発現するが強毒株感染ではその発現は見られない。この発現にγδT細胞が深く関与していることも明らかにした。弱毒株感染でHSP65が腹腔マクロファージの細胞膜上、細胞質内に発現されるが、あらかじめ抗TcR-γδ抗体でγδT細胞を除去するとHSP65の発現は著しく抑制される。また、これらのマウスでは感染抵抗性が有意に低下していた。 本研究では発現したHSP65の感染抵抗性への貢献について、トキソプラズマによって誘導されるマクロファージのアポトーシスとの関連性を検討した。強毒株を感染させたマウスのマクロファージは多くがアポトーシスを起こしていたが、弱毒株を感染させたマウスではアポトーシスを起こしたものは少数であった。γδT細胞除去マウスへの弱毒株感染では、マウスの、マクロファージの多くがアポトーシスを起こしていた。このようにHSP65を発現がないマウスではアポトーシスが誘導されやすくなっていた。試験管内での実験においてもHSP65をあらかじめ発現させたマクロファージでは非処置のマクロファージに比べ、アポトーシスの頻度が減少していた。また、HSP65のアンチセンスオリゴヌクレオチドでHSP65の発現を特異的に抑制すると、アポトーシスが起こりやすくなった。以上の結果から、HSP65は原虫感染によるマクロファージのアポトーシスを抑制することによって抵抗性に役立っていることを明らかにした。
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