HTLV-I遺伝子導入動物を用いたHTLV-I関連疾患の発症機構の解析
Project/Area Number |
09770221
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Immunology
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
山崎 英俊 鳥取大学, 医学部, 助手 (00283987)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | HTLV-I / トランスジェニック / 破骨細胞 / env-pX / env-pX transgenic rat / osteoclastogenesis / B lymphopoiesis / cytokine / arthritis / myocarditis |
Research Abstract |
我々の樹立したenv-pXトランスジェニックラットは、HTLV-I感染患者に見られる様々な疾患(関節炎、シェーグレン症候群類似の慢性唾液腺炎像など)を発症することからHTLV-I関連疾患の発症機序解明のための有用なモデル動物であると考えられる。以前よりHTLV-I感染患者はATLをはじめ様々な血液細胞系譜への影響が報告されており、ATL患者の多くに破骨細胞の活性化を伴う高カルシウム血症や顆粒球症あるいは単核球増多が認められている。そこでenv-pXラットの血液細胞系譜へのHTLV-Iの直接的影響と疾患による二次的な影響について検討した。 env-pXトランスジェニックラットで認められた様々な血液系の異常を二つに分類することができた。 HTLV-Iの直接的影響と考えられるもの (1) env-pXラットのリンパ球に見られるCD80/86やICAM-Iの発現増強 (2) 未発症env-pXラットに見られる破骨細胞及び破骨細胞前駆細胞の増加 (3) 未発症env-pXラットに見られるB前駆細胞の増加 疾患による二次的影響 (1) 好中球数の増加と高ガンマグロブリン血症:関節炎を有するenv-pXラットには高率にリウマチ因子をはじめとする自己抗体の産生が認められた。 (2) 疾患発症に伴う顆粒球、マクロファージの増加:間接炎発症がCFU-MおよびCFU-GMの増加に影響する 以上からenv-pXラットの血液細胞系譜にみられた現象を、二つに分類することができる。破骨細胞およびT,B細胞に対する影響はenv-pX伝子による直接的な影響、顆粒球やマクロファージに対する影響は疾患発症による二次的なものと考えられた。また、発症以前より免疫担当細胞であるT細胞やB細胞が活性化されていることから、遺伝子導入による標的臓器の変化が発症に関与するばかりでなく、導入遺伝子による免疫細胞側の変化が疾患の発症の直接の引き金になりうると考えられる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(15 results)