Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
H9年に某職域の20-39歳までの健診受診者3,341名(男2,775名,女566名)を対象に健診時の残血清を用い、血清抗Helicobacter pylori抗体(以下HP抗体)を測定した。HP抗体は20.0以上を陽性とした。対象者のHP抗体陽性率は25.6%(男26.5%,女21.4%)で、20-29歳が21.7%(男22.4%,女19.7%)、30-39歳が29.5%(男29.8%,26.4%)であった。20歳代より30歳代が、女より男の方が陽性率は高かった。全体では他の研究結果と比べて陽性率は低かった。生活習慣に関する質問票の内容は自覚症状、既往歴、家族歴、同胞数、喫煙・飲酒習慣、ペット、食物嗜好・習慣等である。HP抗体陽性者と関連がみられたのは「父親と同胞に胃疾患の既往有り」「同胞数が多い」「屋内でペットを飼っている」の項目であった。 H10年に同対象者に2回目の調査を行い、1年間の発生率とHP抗体陽転者の生活上の変化について分析を行う予定であったが、対象である職域の都合により2回目の調査がH11年に実施されることになった。そこでH10年度は1回目の調査結果より食生活とHP陽性の関連について詳しい分析を行った。食品の嗜好については多重ロジスティックモデルを用いて「好き」「普通」「嫌い」の回答のうち「好き」のオッズ比(以下OR)を1.00として他のORとp値を求めた。結果は「甘いもの」が嫌いな人(OR=0.73,p<0.01)のリスクは低く、「刺激物」(OR=1.39,p<0.1)や「塩辛いもの」(OR=1.19,p<0.1)が嫌いな人のリスクはやや高かった。飲み物については「飲まない」のORを1.00とした時、「コーヒー」を時々飲む(OR=0.73)、毎日飲む(OR=0.64)人のORが低かった(P<0.01)。さらにp<0.1の項目のみ用いた分析では「甘いもの嫌い」と「コーヒーの摂取頻度多」のリスクが低かった。コーヒーの摂取についてはHPの存在により胃に負担がかかり、結果として飲めないのではないかと考えられる。甘いものの嗜好については解釈が難しく、H11年の調査結果を得て、再度詳細な分析を行う。
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