Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
平成9年度に秋田県南外村にて血清脂質を測定した65歳以上の,男性377名,女性575名を対象とした健康調査を実施し,静脈血を採血した.同時に,身長,体重,皮脂厚,体脂肪率,血圧を測定した.また,血清脂質の関連要因として,既往歴,現病歴,服薬状況,食品摂取頻度,身体活動,飲酒,喫煙に関する聞き取り調査を行った.男性330名,女性506名について追跡調査を実施した.血清総コレステロールは酵素法にて,HDLコレステロールはリンタングステン酸沈殿法により測定した.血清脂質レベルを従属変数とし,Mixed-effects modelを用いて血清脂質の縦断変化に影響する関連要因の分析を行った.総コレステロールレベルの縦断変化の関連要因としては,性(男性が女性より低下傾向:B=-19.9),体重変化量(B=2.36),体脂肪率(B=1.49)が有意に関連していた.また,交互作用項では,性と移動能力の交互作用項が総コレステロールレベルの縦断変化に有意に関連しており,男性では移動能力が維持されているほどコレステロールレベルが維持される傾向にあった.一方HDLコレステロールレベルの縦断変化の関連要因としては,性(女性が増加傾向:B=8.73),体脂肪率(B=-0.43),体重変化量(B=-0.45)が有意であった.秋田県南外村の高齢者においては平成5年度から平成9年度にかけて男性,女性とも有意な総コレステロールレベルの低下が見られていたが,平成9年から平成10年にかけても,男性で平均4.28mg/dl,女性で4.94mg/dlの低下が見られており,平成10年度の平均レベルは男性で174.5mg/dl,女性で203.9mg/dlであった.本研究では加齢に伴う総コレステロールの低下が明らかとなり,農村部ではむしろ総コレステロールの低下を予防する介入の必要性が示唆された.
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