Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
ABO血液型は、糖鎖抗原であり、赤血球膜表面のみならず様々な組織並びに分泌液中にも存在する。さらに、動物種間によってその組織発現パターンが異なることが知られている。ABO型の発現は、主としてその前駆体糖鎖(H抗原)の合成に関与するa(1,2)フコシルトランスフェラーゼによって調節されている。現在、人では2種の遺伝子(FUTl,FUT2)の存在が知られている。我々は本科学研究費補助金を得て、FUTl及びFUT2の遺伝子の構造とcDNAの構造さらにはそれらの転写開始点を5'RACE法、3'RACE法ならびにPCR法を用いて同定してきた。さらにそれらの遺伝子の転写に関与しているプロモーター領域をcassette mediated PCR法を用いてクローニングし、ルシフェラーゼ遺伝子とのfusion constructの作製によりこれらの領域がプロモーター活性を持つことを示した(Koda et al.J.Biol.Chem.,272,7501一7505,1997.Eur.J.Biochem.,246,750-755,1997)。これらの研究でFUTlには少なくとも3ヶ所以上の転写開始点が存在することも明らかになった。又、FUT2に関しては、そのmRNAの3'untranslated region(UTR)に2つのAIu配列がhead to headで伺いあって存在しており、その結果mRNAが3'UTRでstem and loop構造をとる可能性を示した。さらにFUTlでは、赤血球の分化に伴って転写開始点が5'のものから3'のものへ変化していくことを示した(Koda et al.Eur.J.Biochem.,256,379-387,1998)。さらにFUTlの2番目の転写開始点が、retrovirus like sequence(LTR)中に存在することを示し、このLTRが転写に重要な働きをしている可能性を示した。
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