Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
【目的】抗アミノアシルtRNA合成酵素(ARS)抗体の臨床・免疫遺伝学的特徴の追究を目的とした。【方法】(1)教室で自己抗体を検索した1082例(多発性筋炎118;SLE380;強皮症180;慢性関節リウマチ56;重複症候群94;特発性間質性肺炎109;関節痛,皮疹を有する症例145例)を対象とした。(2)抗ARS抗体の検索:患者血清中の自己抗体検索にはLemer-steitzに準じ,免疫沈降法で調べた。そのため,核酸成分の分析には^<32>P-燐酸標識HeLa細胞抽出物,蛋白成分の分析には^<35>S-メチオニン標識HeLa細胞抽出物を用いた。(3)HLAクラスII遺伝子は,同抗体陽性例および患者,健常人コントロール末梢血白血球より抽出したgenomicDNAをDRB1,DQA1,DQB1,DPB1各々に特異的なブライマーを用いてPCR増幅する。次に,増幅DNAを種々の制限酵素で切断し,その産物の大きさを比較検討(PCR-RFLP法)し,対立遺伝子を決定した。【結果】(1)抗HisRS 22;抗GlyRS 12:抗AlaRS 7;抗ThrRS 5;抗IIeRS 3例を見い出した。(2)筋炎は抗His-,抗Thr-,抗lle-R抗体陽性全例に認めたが,抗GlyRS(50%),抗AlaRS(14%)と低頻度であった。一方,抗HisRSの2例以外,間質性肺炎を全例に認めた。(3)抗HisRS抗体陽性例はDRBl^*0405-DQAl^*0302-DQB1^*401を80%,抗AlaRS抗体陽性例はDRBl^*501-DQAl^*0102-DQBl^*0602を57%と高頻度に持っていた。【結語】抗ARS抗体は間質性肺炎,筋炎,多関節炎と関連するが,各々の特異性で関連症状が異なっていた。その一因としてHLAクラスII遺伝子(免疫遺伝学的背景)の相違が考えられた。
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