Project/Area Number |
09770363
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
|
Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
西森 功 高知医科大学, 医学部, 助手 (30237747)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 膵臓 / 炭酸脱水酵素 / mRNA / cDNA / 遺伝子クローニング / アイソザイム / 慢性膵炎 |
Research Abstract |
ヒト膵臓における炭酸脱水酵素(carbonic anhydrase,CA)の遺伝子発現を検討し下記の結果を得た。 1, ヒト膵管細胞および腺房細胞由来の培養癌細胞株でCA2(細胞質型)、CA4(膜結合型)、CA6(分泌型)の3つのCAアイソザイムmRNAの発現をRT-PCR-Southern blot法により検討した結果、膵管細胞癌ではCA2およびCA4の発現がみられ、腺房細胞癌ではCA6の発現が認められた。これらの結果よりヒト膵臓では腺房細胞にCA6が、膵管細胞にCA2およびCA4が存在することが示唆された。 2, RT-PCRを用いたhomology probing法によりヒト膵臓のpolyA+RNAから得た新しいCAアイソザイム(CA5B)の生化学的特徴を詳細に検討した。得られたcDNAは1182bpで317アミノ酸をコードし、このアミノ酸から予想される分子量は36.4kDaであった。既報のCAアイソザイムとの相同性を検討した結果、cDNAおよびアミノ酸配列においてCA5A(ミトコンドリアCA)と最も高い相同性がみられた。N末端には疎水性に富むシグナル配列(33残基)がみられ、CA5Bを発現させたCOS-7細胞の細胞構成成分の分画中における酵素活性測定、green fluorescent蛋白とCA5Bの融合蛋白を発現させたCOS-7細胞の蛍光顕微鏡による観察で、CA5Bは新しいミトコンドリアCAアイソザイムと考えられた。また、CA5B遺伝子組み替え蛋白を用いたWestern blot法により、CA5Bのprecursor蛋白およびmature蛋白の分子量は各々36kDa、32kDaであった。CA5Bの酵素活性はCA2(高活性CA)の約1%であった。Northern blotではtranscriptの大きさは約1.3kbで、心筋および骨格筋でmRNAの発現がみられた。RT-PCR法では膵臓、腎臓、唾液腺、脊髄におけるmRNA発現がみられた。以上の結果より、CA5Bは新しいミトコンドリアCAアイソザイムであることが示され、ヒト膵臓における発現が確認された。
|