各種神経ペプチドの胃粘膜内の詳細な局在と粘膜防御機構の制御に果たす役割との関連性
Project/Area Number |
09770375
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
市川 尊文 北里大学, 医学部, 講師 (30245378)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ムチン生合成 / 表層粘液細胞 / Calcitonin gene-related peptide(CGRP) / 一酸化窒素(NO) / 一酸化窒素合成酵素(NOS) / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
胃の部位により異なった調節機構の存在が考慮される粘液代謝において神経ペプチドが果たす役割の有無を明らかにするため、免疫組織化学的検討で胃粘膜内における特徴的局在が明らかにされたCalcitonin gene-related peptide(CGRP)のムチン生合成に対する作用を胃粘膜器官培養系を用いて、胃の部位別に比較検討し以下の結果を得た。 1. CGRPを培地内に添加し、7週齢ラットより作成した胃粘膜組織小片への^3H-glucosamineおよび^<14>C-threonineの取り込みをみたところ、胃体部における典型的ムチン型糖蛋白質への^3Hの取り込みは濃度依存的に有意な増加を認めたが、^<14>Cの取り込みの増加は認めなかった。また、胃前庭部ムチンへの標識化合物の取り込みは、CGRPの濃度に関係なく対照と同程度の値を示し一定であった。 2. 最近我々の研究室で開発した表層粘液細胞剥離法を用いて、胃体部粘膜から、粘液細胞として副細胞のみを含有する組織を作成し、同様の検討を行なったところ、CGRPのムチン生合成亢進作用は認められなかった。 3. 前年度の検討において、胃体部組織の表層粘液細胞層には一酸化窒素合成酵素(NOS)の局在が確認されているので、次に、CGRPの胃体部ムチン生合成活性亢進作用がNOS阻害薬であるN^G-nitro-L-arginine(L-NNA)の前処置によりどのように変化するか検討したところ、10^<-5>Mの濃度のL-NNAで完全抑制された。 4. さらにNoのみを消去できる新しいタイプのNo消去薬Carboxy-PTIOを用いて同様の検討を行なったところ、CGRPのムチン生合成亢進作用は、10^<-5>MのCarboxy-PTIOで完全抑制された。 5. 以上の結果より、CGRPは胃体部表層粘液細胞に作用しムチン生合成を亢進させること、及びその機序の一部にNOそのものが関与している可能性が強く示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)