ヒト多剤耐性肺癌のP糖蛋白を分子標的とした免疫遺伝子治療の検討
Project/Area Number |
09770415
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
篠原 勉 徳島大学, 医学部付属病院, 助手 (70284289)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 肺癌 / 多剤耐性 / P糖蛋白 / モノクローナル抗体 / ADCC / NK細胞 / サイトカイン / SCIDマウス / P糖蛋白質 |
Research Abstract |
多剤耐性肺癌に発現するP糖蛋白質を標的としたヒト肺癌の分子生物学的制御を目的に検討し、SCID-huモデル作成に向けて以下の諸点を明らかにした。 1. SCIDマウスにヒト肺癌細胞を経静脈的に移入することにより、遠隔転移形成モデルを確立した。 2. M-CSF、MCP-1、IL-2、IL-10、CD82遺伝子導入ヒト肺癌細胞をレトロウイルスベクターを用いて作成し、その転移能を上記モデルで評価した。また、抗マウスIL-2レセプターβ鎖抗体によるNK細胞除去の影響も同時に検討した。MCP-1遺伝子導入は転移形成に影響せず、IL-2遺伝子導入はすべての臓器での転移を抑制し、M-CSF,IL-10遺伝子導入は転移臓器の微小環境条件により異なった転移形成能を示した。転移抑制遺伝子と考えられていたCD82遺伝子の導入はNK細胞の除去により血行散布を促進した。 3. 抗P糖蛋白抗体がマクロファージの抗体依存性細胞傷害反応(ADCC)を誘導しNK欠損SCIDマウスにおいて多剤耐性ヒト肺癌の遠隔転移形成を抑制すること、さらに癌細胞へのMCP-1、M-CSF遺伝子導入が抗P糖蛋白抗体の治療効果を増強することを明らかにした。多剤耐性癌細胞へのIL-2遺伝子導入もヌードマウスへの皮下移植モデルで抗体治療を増強した。 4. 抗マウスIL-2レセプターβ鎖抗体によるNK細胞の除去により、SCIDマウスへのヒトエフェクター細胞の移植が可能であることを明らかにした。 5. キノロン誘導体のMS209がサイクロスポリン及びベラパミルとの併用により肺癌細胞の多剤耐性を相乗的に克服することを示した。 以上、サイトカイン遺伝子導入と抗P糖蛋白質抗体の併用療法の可能性を検討してきた。現在invivoでの遺伝子導入のためのアデノウイルスベクターの開発を進めており、NK欠損SCIDマウスへのヒトエフェクター細胞の同時移植モデルを用いて治療効果の検討を進める予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)