Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
パーキンソン病(PD)の一次的原因は未だ明らかでないが,黒質の神経細胞変性の過程において,ミトコンドリア呼吸低下と酸化的ストレスが重要な役割を果たすと考えられている.パーキンソン病の多くは,孤発例ではあるが,患者の約5%には家系内発症が見られ,家族性PDの一部が,alpha-synuclein,Parkin遺伝子の変異に起因することが明らかなっている.このような単一遺伝子で発症する家族性パーキンソニズムの存在は孤発型PDにおける遺伝的素因の関与を示唆するものである.このような観点に立ち,本研究では,ミトコンドリア電子伝達系複合体Iの構成subunit群に焦点を当て遺伝子多型の解析を行い,パーキンソン病発症の危険因子の発見に努めた.まず,我々は24-kDa subunit(NDUFV4)に焦点を当てて,新規遺伝子多型を見出した.この遺伝子多型は,signal peptide内に存在し,AlaからValにアミノ酸置換を伴っていた.このpoymorphismについては,平成9年度で危険因子になることを見出している.平成10年度は,更に新規遺伝子多型を同定することを目標においた.そして複合体Iの構成サブユニットであるB22subunitのpartial genomic structureを明らかにすることができ,ProからSerにアミノ酸置換を見出した.この遺伝子多型について,control139例,PD146例をPCR-RFLP(BstN I)にて頻度を確認した.その頻度は,allele frequencyやgenotypeにて両グループ間にて有意差を見出せなかった.更に複合体I関連subunits(c-18,PDSW)の新規遺伝子多型を同定しており,遺伝的素因に関する研究を進める予定である.
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