Research Abstract |
進行性核上性麻痺(PSP)1例,corticobasal degeneration(CBD)1例,PSPとCBDの中間型1例,多系統萎縮症(MSA)4例の橋のブロックから4μmの連続パラフィン切片を作成した.H&E染色,Gallyas-Braak染色で染め,残り免疫組織化学染色にて染色した.免疫組織化学染色は,ABC法(Vectastain,Vector)にて染色し,counterstiningはメチルグリーンで行った.免疫組織化学染色の一次抗体は,tau:Sigma,Ihara(井原,1988),human tau(森),tau-2,phosphorylated tau(7F7・3E2)(森),paired helical filaments(PHF),ubiquitin(森,1987),αB-crystallin(森),SMI 31,SMI 33,SMI 34,200-kDa neurofilament(nf),apolipoprotein E(Apo E)(森),α-tubulin,β-tubulin,microtubule associated proteins(MAPs),vimentin,glial fibrillary acidic protein(GFAP)であった.さらに,MSA4例では,各症例の前頭葉,海馬,基底核,中脳,橋,延髄のブロックより4μmのパラフィン切片を作成し,H&E染色,Kluver-Barrera染色,Bodian染色,Gallyas各染色,αB-crystallin(森)を一次抗体としたABC法にてそれぞれ染色した. CBD・PSP例のオリゴデンドログリア内封入体(OGI)は,抗tau抗体,抗PHF抗体に陽性,MSAのOGIは陰性であり,染色性が異なっていた.抗ubiquitin抗体では,CBD・PSP例のOGIでは陰性との報告が多いが,本報告では陽性であった.但し,MSA例のOGIよりも染色性は低かった.抗αB-crystallin抗体,抗α-およびβ-tubulin抗体,抗MAPs抗体では,CBD・PSP例のOGIもMSA例のOGIとほぼ同程度に陽性であった.さらに,MSA例では,αB-C陽性神経細胞を認めた.この陽性細胞は,大脳皮質,橋核,下オリーブ,小脳Purkinje細胞で認められ,まれに,淡蒼球でも認められた.
|