神経保護作用を有する新規因子の単離と神経変性疾患への応用に関する研究
Project/Area Number |
09770467
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | Institute of Applied Biochemistry |
Principal Investigator |
小島 久典 (財)応用生化学研究所, 主任研究員 (80270552)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | アデノウイルス / コスミド / 組換え法 / テトラサイクリン / 神経栄養因子 / 遺伝子発現調節 / 神経変性疾患 / 遺伝子治療 / 神経保護作用 / パーキンソン病 |
Research Abstract |
昨年度の実験から、神経栄養因子を動物に送り込むためのベクターとして利用したアデノウイルスベクターが細胞毒性を有することが分かり、さらに安全性の高いアデノウイルスベクターを開発する必要性が出てきた。このため、アデノウイルスベクターの骨格自体に大幅な変更(組換え操作)を加えることが必要となったが、従来の組換えアデノウイルスの構築法では、アデノウイルスのゲノムの複数箇所の変更や外来遺伝子の導入を要求される場合は、多大の時間や労力を必要とする。本年度は、従来の技術では不可欠とされるアデノウイルス増殖、精製やウイルスDNAの抽出過程を必要とせず、精製ウイルスDNAと大腸菌内で増殖させたプラスミドDNAとの間で相同組換えをも不要とするアデノウイルス構築方法の開発を行った。具体的には、アデノウイルスの両端の末端逆方向繰り返し配列を完全に含み、El及びE3領域を欠失させたウイルス様ゲノムを保持する新たなコスミドベクター(pacad1A)を作製した。このpacad1Aは、制限酵素処理により、そのウイルス様ゲノム部分を遊離させることが可能である。また、pacadIAには、複数の外来遺伝子を導入したり、ウイルスベクターの基本的骨格に改変を加えよたりすることを容易にするための複数のユニークな制限酵素サイトを用意した。このpacad1A由来のウイルス様ゲノムDNAの感染性を確認すると同時に、外来遺伝子導入用サイトの有用性を知る目的で、ウイルスゲノムの複数箇所の修飾過程を必要とする自己内在性テトラサイクリン調節型ベクターの作製を行った。pacad1Aは期待した能力を有し、テトラサイクリンによって効率よく遺伝子発現を調節できる能力を持ったアデノウイルスベクターを作製できた。現在、この新たに開発した技術を応用して、神経栄養因子の遺伝子を発現できる安全性の高いアデノウイルスベクターの作製を行っている。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)