心不全による肺高血圧での血管作動性ペプチドの役割の解明とそれによる新治療法の開発
Project/Area Number |
09770473
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
酒井 俊 筑波大学, 臨床医学系, 助手 (30282362)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | endothelin-1 / heart failure / receptor antagonist / 心不全 / 肺高血圧 / 血管作動性ペプチド / エンドセリン / 治療 |
Research Abstract |
【目的】Endothelin-1(ET-1)は、肺血管を強力に収縮させることが知られている。心筋梗塞(Ml)による心不全には肺高血圧が合併するが、内因性ET-1がこの合併症の進展に関与するかは不明である。今回、肺うっ血および肺高血圧をおこしたMlラットの肺でのET-1の産生を検討し、そしてET受容体遮断薬の2週間の投与がこのラットの血行動態をどのように改善するかを検討した。 【方法と結果】ラットの左冠動脈を結紮してMlを作成した。Ml作成翌日より浸透圧ミニポンプにてET受容体遮断薬であるBQ123(15mg/rat/day)を2週間持続投与(Ml+BQ群)した。対照群にはMl作成翌日より生食を同期間持続投与した(Ml+生食群)。またSham手術群にも生食を持続投与した(Sham+生食群)。投与開始2週後に血行動態を測定した。結果(平均±SE)を下の表に示す。(Ml+生食群)において、(Sham+生食群)と比較すると、右室収縮期圧及び中心静脈圧の著明な上昇が認められたが、BQ123の投与(Ml+BQ群)は右室収縮期圧及び中心静脈圧の著明な上昇を有意に改善した。BQ123の投与は、Ml群の血圧には影響を与えなかった。Ml作成2週後の肺におけるET-1mRNAの発現をノーザン解析にて調べたところ、Sham群に比べて著明に亢進していた(n=5)。また、enzyme immuno-assay法にてペプチドレベルを測定したところ、ET-1はペプチドレベルにおいても増加していた。 【総括】心筋梗塞ラットの肺において、ET-1の産生が増大していることが示唆された。ET受容体遮断薬の2週間の投与は心筋梗塞ラットの肺高血圧および右心不全(中心静脈圧の上昇)を著明に改善し、この病態に対する治療薬になりうる可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)