Project/Area Number |
09770484
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森下 竜一 大阪大学, 医学部, 助教授 (40291439)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | p53 / Rb / がん抑制遺伝子 / アポトーシス / 心筋 / VEGF / 動脈硬化 / 細胞周期 / アンチセンス |
Research Abstract |
ヒト大動脈由来血管平滑筋細胞におけるがん抑制遺伝子Rb及びp53の機能解析の結果、p53及びRbが細胞周期を負に調節していることが明らかになった。また、Rbの機能喪失による細胞周期進展時にはp53の存在によりアポトーシスが引き起こされるため、細胞数の増加を認めなかった。このp53によるアポトーシス誘導は、bc1-2ではなく、baxによるものであることも明らかにした。更に、ラット頸動脈へのp53アンチセンス導入により新生内膜形成を認め、生体内でもp53の異常が動脈硬化形成に関係していることも明らかになった。興味深いことに、血管新生因子VEGFの発現誘導もp53アンチセンス導入時に認め、p53が細胞周期進展による細胞増殖と血管新生を繋ぐ重要な因子であることも明らかになった。更に、心筋細胞では癌抑制遺伝子であるp53及びRb遺伝子の存在や機能が不明であるので、まず培養心筋細胞を用いてこれら癌抑制遺伝子群が存在しうるかを検討した。その結果、p53はラット成熟個体において非常に高いレベルで発現していること、Rbの発現量は平滑筋細胞に比べ少ないことなどを見いだした。更に、ラット心臓へp53に対するアンチセンスオリゴを投与した結果、1)心筋細胞のDNA合成の増加が見られること、しかし、2)心筋細胞の分裂は見られず、p53の減少だけでは心筋細胞の再生には不十分であること、が明らかになった。これらの結果は血管平滑筋とは異なっており、心筋細胞独自の細胞周期調節機構が存在する可能性が考えられた。現在更に心筋細胞の細胞周期抑制を検討している。
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