Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
急性心筋梗塞などAcute Coronary Syndromeの原因となる冠状動脈の閉塞性血栓は,速く豊富な冠循環の存在下で形成されるとの特徴を有する。血流のうっ滞下で形成される静脈血栓と異なり,血流下の冠血栓の形成には,凝固因子より血小板が重要な役割を果たす。われわれは血流下の血小板血栓形成機転を検討し,血流下では血漿蛋白であるvon Willebrand factor(vWF)と血小板膜糖蛋白GP Ib,GP IIb/IIIaが必須の役割を演ずることを示した(GotoS,et al. JBiol Chem,1995)。平成9年度には急性心筋梗塞患者血漿中にvWF依存性の血栓形成を選択的に亢進させる成分が存在することを示し報告した(Goto S,et al.Lancet,1997)。平成10年度には,血流下で形成される血小板血栓の形成過程におけるvWFとfibrinogenの役割を更に明確にすることを目的とした。血漿蛋白の影響を除外するために,洗浄血小板浮遊液を作成した。血小板を予めADPとエピネフリンにより化学的に活性化させた。FITCにて蛍光標識したfibrinogenまたはvWFと,各種者クローン抗体の存在下にて,異なる血流条件下での血小板血栓形成過程を観察した。血小板が完全に化学的に活性化された条件ではあっても速い血流,高いずり速度の条件下ではfibrinogenとGPIIb/IIIaの結合のみにては強固な血小板血栓を形成することがでできなかった。血流下の血小板血栓の形成には,例え血小板が予め化学的に活性化された条件ではあってもvWFとGP Ib,GP IIb/IIIa両者の相互作用が必須であることが示唆された。
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