尋常性天疱瘡抗体による表皮細胞接着障害におけるシグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
09770624
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
青山 裕美 岐阜大学, 医学部, 助手 (90291393)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 天疱瘡 / デスモグレイン / 表皮細胞 / リン酸化 |
Research Abstract |
[目的] 尋常性天疱瘡抗体(PV-lgG)がデスモグレイン3(Dsg3)に結合することによってケラチノサイト細胞間接着が障害されることは明らかにされているが、その機序の詳細は不明である。ここでは、抗体結合後のDsg3の表皮細胞内運命を追跡した。 [方法] 培養DJM-1細胞(ヒト扁平上皮細胞癌)を用いて、DSg3の量的変化を細胞質、膜、細胞骨格画分に分画し免疫ブロット法で分析し、細胞内分布変化を蛍光抗体法で観察した。培養細胞をPV-lgGで20分間および30時間刺激し、洗浄後生理的食塩水可溶性(細胞質)画分、トリトンX-100可溶性(膜)画分、トリトンX-100不溶性(細胞骨格含デスモソーム)画分に分画し、デスモソーム構成分子であるDsg1,Dsg3,デスモプラキン(DPK),プラコグロビン(PG)に対する抗体で免疫ブロットを行った.また、カバー硝子上に培養した細胞を-20℃メタノール固定後、Dsg3をPV-lgGで染色(ローダミン)し、他の分子にたいする抗体(FlTC)とあわせて二重染色した。 [結果] PV-lgGの結合20分で、Dsg3のみが膜画分からが消失し、30時間後には膜画分、細胞骨格画分両者から消失した。蛍光抗体法では、30時間後には細胞間橋からDsg3のみが消失し、Dsg1,DPK,PGは細胞間橋に認められた。 [結論] PV-lgGが細胞表面のDsg3分子に結合するとDsg3は20分以内にそのプールから消失し、30時間後にはDsg3欠損デスモソームが形成された。この現象は、Dsg3ノックアウトマウスの結果と考えあわせると水疱形成に関与する可能性が高いと推察される。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)