Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
(目的)前年度までに培養表皮細胞のIL-13mRNAの発現と紫外線による発現増強を確認し,今年度は1.生体内での発現と2.蛋白レベルでの発現を検討した。 (方法と結果)1.生体内での発現の確認(a)ヒト皮膚よりディスパーゼにて表皮シートを採取し,トリプシン処理後.抗CD1a,CD3,CD14抗体を用いたnegative selectionにて表皮細胞を,同時にpositive selectionにてランゲルハンス細胞を回収.RT-PCR法にて両細胞にIL-13mRNA発現を認めたが,ランゲルハンス細胞の発現の方が明らかに強かった.(b)PCRにて作成したRNAprobeを用いたin situ hybridization法にて正常表皮細胞にIL-13mRNA発現を確認した.2.蛋白レベルでの検討(a)紫外線照射後,経時的に培養表皮細胞を回収し,ホモゲネート後,ELISA,ウエスタンブロッテイングを施行(b)同細胞を(細胞膜透過処理後,)ポリクローナル,モノクローナル抗体を用いてスライド上での免疫染色,フローサイトメトリによる染色を行う.(a)(b)ともに,IL-13の発現は確認できなかった. (考察)表皮細胞が生体内でもIL-13mRNAを発現していることが明らかになったが,培養表皮細胞では蛋白レベルではIL-13を検出できなかった.蛋白質として産生されない可能性もあるが,発現量が少ない,表皮細胞に存在が知られているIL-13レセプターに捕捉される,代謝されやすい,などの理由により検出できにくいだけかも知れない.今後はIL-13の機能を反映できる細胞系等を利用し,検討する方法が有効かも知れない.また,生体皮膚では表皮細胞だけでなく,むしろ,ランゲルハンス細胞がIL-13mRNAの主要産生細胞細胞であり,その意義は不明ながら,皮膚の免疫システムを考える上で,検討に値すると考えられる.
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