Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
1. 思春期女子〓瘡患者の重症度ならびに血中ホルモン動態との相関について 思春期〓瘡患者と思春期対照群で、男性ホルモンを中心として、平成9,10年度にかけて血中ホルモン動態を測定し、検討を加えた. テストステロン(T)は、〓瘡群33±10,対照群30±10ng/ml フリーテストステロン(FT)は、〓瘡群0.62±0.05,対照群0.67±0.09pg/ml 5α-ダイハイドロテストステロン(DHT)は、〓瘡群0.12±0.05,対照群0.14±0.04ng/mlと有意差は認めなかったが、 デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)は、〓瘡群2072±767,対照群1171±559ng/mlで,有意ある高値を示し(P<0.01),思春期の〓瘡発症においてDHEA-Sが何らかの役割を果たしていることが、推測された。また重症思春期〓瘡患者3例に多嚢胞性卵巣(PCO)を認めており,血中ホルモン動態との相関性を検討している.以上,思春期女子〓瘡患者の血中ホルモン動態に関しては,現在投稿準備中である. 2. 皮脂腺の組織片培養及び男性ホルモンの脂質生成に及ぼす影響について 13歳から17歳までの手術患者数名の顔面より採取した分層皮膚を細切りし,実体顕微鏡下で皮脂腺を分離し,得られた皮脂腺を培養した.さらに培養脂腺細胞をDHT,DHEAを含むserum-free keratinocyte basal medium(KBM)を用いて37℃,5%CO_2の条件下で10日間培養し,計量器にて脂質量を測定し,男性ホルモンの脂質生成の及ぼす影響を検討した.コントロールに比較して培養脂腺細胞の脂質生成は有意に促進したという結果が出たが,ヒトより分離された皮脂腺の組織培養では,培養脂腺細胞の増殖率が低く,手技が条件により左右されやすく困難であり,さらなる検討が必要と考えている. 今後は皮脂腺が豊富に存在し,比較的脂腺細胞の組織培養が容易であるハムスター耳介部を使って,男性ホルモン(T,DHT,DHEAを中心として)による培養脂腺細胞増殖の測定,さらに抗男性ホルモンを有するスピロノラクトンのT,DHT,DHEAによる皮脂腺の増殖に対する影響についてまとめ発表する予定である.
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