Project/Area Number |
09770663
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
大倉 光裕 聖マリアンナ医大, 医学部, 講師 (00277964)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | マスト細胞 / メラノサイト / SCF / c-KIT / ACK2 / 増殖・分化 |
Research Abstract |
皮膚メラノサイトは発生の過程でSCF/c-KIT情報伝達系の関与が必須であることが明らかにされているが、我々はさらに出生直後にもSCF/c-KIT情報伝達系が重要な役割を果たしていることを報告してきた。SCF/c-KIT情報伝達系をブロックする目的で、抗c-KIT抗体(ACK2)を生後0日から毎日投与日をずらして新生マウスの皮下に投与すると、投与開始日が早ければ早いほど、また投与日数が長ければ長いほど、白色毛となった。今回我々はメラノサイトのみならず、マスト細胞に対しても生後SCF/c-KIT情報伝達系が関与するか否かをしらべるため、生後抗c-KIT抗体を投与したマウスの真皮マスト細胞数の変化を抗体非投与マウスと比較した。トルイジンブルー染色陽性の細胞をマスト細胞として計数した結果投与群と非投与群との間に差は認められなかった。wミュータントとSlミュータントでは両者共にマスト細胞が欠如しているので、マスト細胞の発生の段階ではSCF/c-KIT情報伝達系が重要な役割を果たしていることは明らかであるが、今回の結果は生後のマスト細胞の増殖・分化には関与しない可能性が考えられる。 平行して行った神経冠培養系の実験でSCFとET-3を併用添加培養したもののうち、長期培養維持できた細胞株が得られた。この細胞は、c-KIT陽性、TRP1強陽性、TRP2弱陽性、チロジナ-セは強、弱陽性と陰性が混在していた。光顕下で色素沈着はなく、電顕的にメラノソームはまれにステージ2と3がみられるものの、ほとんどが未熟なメラノソームであり電顕DOPAでもステージ4のマラノソームは認められなかったため、やや分化段階の低いメラノサイトであると考えられる。神経冠培養系由来メラノサイト培養株の報告はないので、特にメラノサイトの発生および、色素産生の研究に有用であると考えられる。
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