精神分裂病の発症要因としてのD2受容体遺伝子転写調節領域の変異に関する研究
Project/Area Number |
09770736
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大原 浩市 浜松医大, 医学部附属病院, 講師 (70213840)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 精神分裂病 / 遺伝 / D2受容体 / 転写調節 / プロモーター / セロトニン / 5HT2受容体 |
Research Abstract |
[はじめに]最近、Arinamiら(1997)は、D2受容体プロモーター領域の遺伝子多型(-141Ins/Del)を報告した。それによると、-141Ins遺伝子は-141Del遺伝子よりも、プロモーター活性が高い。さらに、精神分裂病では、健常者よりも-141Ins遺伝子頻度が高い。これらの結果は、精神分裂病死後脳線条体でのD2受容体数増加を説明する理由の一つの可能性がある。したがって、われわれは、この研究を追試した。[症例]症例は、精神分裂病170名、健常者121名である。いずれも、本人に研究の趣旨を説明し、文書による同意を得ている。DSM-IVを用いて診断した。[臨床的評価]発症年齢、家族歴、抗精神病薬服薬量、PANSSによる陽性、陰性症状の評価、治療抵抗性などを検討した。[-141Ins/Del解析]Arinamiら(1997)の方法に準拠して行った。[結果]精神分裂病では、健常者よりも-141Ins/Ins遺伝子型が多い傾向にあった(p=0.07)。また、-141Ins遺伝子頻度が有意に多かった(p=0.04)。発症年齢は、-141Ins/Delを持つ患者(22.8(6.83)歳)が、-141Ins/Insを持つ患者(26.8(10.2)歳)よりも有意に低かった(p=0.03)。その他の臨床項目では、両者に有意な差は認めなかった。 [考察]われわれの結果は、Arinamiら(1997)の報告を支持した。陽性症状、抗精神病薬服薬量などと-141Ins/Delの相関は認められなかった。-141Ins/Del多型は、精神分裂病の発症に関与しているが、症状や治療反応性には、他の因子が関与している可能性がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)