Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
昨年度の検討により、マウス胸腺cDNAライブラリーから新規チャネル様蛋白の遺伝子の単離に成功し、その機能解析を遺伝子工学的、電気生理学的手法を用いて行った。この遺伝子は全長2268bpで、アミノ酸756残基からなり細胞膜を6回貫通する新規チャネル様蛋白をコードしていた。trp familyに属するカプサイシン受容体(VRl)と約43%の相同性が認められた。ノーザン解析により種々の組織でその発現が認められ、特に胸腺、肺、脳で強く発現していた。発現ベクターにcDNAを組み込みCHO細胞などに強制発現させたところ、インスリン様成長因子-1(IGF-I)に反応し細胞内カルシウム濃度が著明に増加した。C末端に対する抗体を作製し細胞内における局在、各組織におけるこの蛋白の発現についても検討した。IGF-I刺激によりこのチャネル蛋白の細胞内から細胞膜上へのトランスローケションが惹起されることが免疫染色により確認された。。電気生理学的検討から、IGF-Iで前処理した強制発現細胞では陽イオンの透過性が大きく増加しており、このチャネル蛋白がnon-selective Ca2+透過性チャネルとして機能することが確認された。結論:増殖因子作動性の新規カルシウム透過性チャネルを同定した。
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