Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
血管平滑筋細胞、血管内皮細胞のチロシンキナーゼ型受容体(IGF-1,EGF,VEGF,PDGF)およびGタンパク共役型受容体(Endothelin-1,Angiotensin-II)を介するDNA合成、細胞増殖におけるNF-κBの役割を検討する。生理的なおよび病的な動脈硬化発症機序におけるNF-κBの役割を検討した。 血管内皮細胞をIGF-1,EGF,VEGF,PDGFで刺激したところ、刺激後にNF-κB量の増加を認めた。この核内NF-κBの増加は活性抑制型Rasの発現で抑制され、またMEK(MAPK/ERK kinase)阻害剤にて減少ししたためRas-MAPK経路を介してNF-κBの増加がなされることが判明した。一方、Gタンパク共役受容体Endothelin-1(ET-1)はやはり刺激後にNF-κB量の増加を認めた。この効果は活性抑制型Rasでは抑制されず、MEK阻害剤では不完全であった。特異的プロテインキナーゼC(PKC)阻害剤投与によりNF-κB発現は著明に低下した。細胞分画法にて検討したところ、PKCのアイソフォームのうちPKCα、βが活性化されていた。細胞内信号伝達経路の違いが活性化に影響するかを次に検討した。このためNF-κB/I-κB複合体のリン酸化を観察したところ、チロシンキナーゼ型受容体とGタンパク共役型受容体ではリン酸化の部位に違いがあることが判明した。現在この違いがNF-κBの活性化に影響を及ぼしているかを検討中である。
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