Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
c-Jun蛋白質およびRB蛋白質によるレニン遺伝子プロモーターの転写調節に関する検討 まず,レニン遺伝子プロモーター領域とCAT遺伝子とのキメラ遺伝子を,c-Jun遺伝子発現ベクターとともに培養腎細胞に遺伝子導入してCAT assayを行い転写活性の変化について検討した.c-Jun蛋白質過剰発現により培養腎細胞特異的に約3〜4倍のCAT活性の増加がみられ,deletion解析によりコアプロモーター領域(-47〜+16)がc-Jun蛋白質による転写活性化に関与することが明らかになった.コアプロモーター領域内のAP-1類似配列を変異させてもc-Jun蛋白質による転写活性化はみられたが,TATAボックスを変異させると定常的およびc-Jun蛋白質による転写活性が著しく低下した.in vivo competition法によって腎細胞内のc-Jun蛋白質の作用を競合阻害すると,c-Jun蛋白質による転写活性化は有意に低下した.これにより,c-Jun蛋白質が細胞特異的にレニン遺伝子の転写活性化作用をもつことが明らかになった.c-Jun蛋白質はコアプロモーター領域結合因子との相互作用によって,レニン遺伝子プロモーターの転写活性化をもたらすと考えられる.次に,レニン遺伝子プロモーター領域とCAT遺伝子とのキメラ遺伝子を,RB遺伝子発現ベクターとともに培養腎細胞に遺伝子導入して転写活性の変化について検討した.RB蛋白質過剰発現により培養腎細胞特異的に約3〜4倍のCAT活性の増加が見られ,deletion解析により転写活性化に関与する近位プロモーター領域(RP-2領域;-75〜47)が明らかになった.また,ゲルシフトアッセイおよびDNase I footprint解析では,RB蛋白質により,RP-2領域への培養腎細胞由来の核内因子の結合活性の亢進が認められた.これらにより,RB蛋白質が細胞特異的にレニン遺伝子の転写活性化作用をもつことが初めて明らかになった.RB蛋白質はRP-2領域結合核内因子との相互作用によって,レニン遺伝子プロモーターの転写活性化をもたらすと考えられ,レニン遺伝子の組織特異的・分化特異的な発現調節にRB蛋白質が関与している可能性が示された.
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