骨髄腫細胞に発現するアポトーシス関連リン酸化蛋白質のクローニング
Project/Area Number |
09770824
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
畑 裕之 熊本大学, 医学部付属病院, 助手 (70271129)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 多発性骨髄腫 / アポトーシス / Bcl-2 / Bcl-X / Bax / Bcl-2ファミリー / 蛋白合成阻害剤 |
Research Abstract |
本研究の目的は、骨髄腫細胞株に見られるspontaneous apoptosisの機序とその制御機構を明らかにすることであった。CHX作用後の細胞内アポトーシス関連物質、特にBcl-2familyの発現を検討したところ、Bcl-2またはBcl-XLのアポトーシス抑制物質とBcl-XSまたはBAXのアポトーシス促進物質のバランスの不均衡がspontaneous apoptosis、CHX-apoptosisを制御していることを見出した。すなわち、Bcl-2,Bcl-XLの発現が強く、Bax,Bcl-Xsの発現が弱い細胞株はアポトーシスをおこしにくい。さらに、CHXによりBaxの発現が増強することも見出した。CHXによるBaxの発現増強は今まで報告がなく、BaxがいわゆるCHXによるsuperinductionといわれるparadoxicalな発現制御を受けるタンパク質の一つであることが示された。そこで、この関係が実際に患者サンプルでも観察されるかどうかを検討した。その結果、Bcl-2familyの発現は症例ごとにさまざまに制御されていることが判明した。すなわち、spontaneous apoptosisをきたしやすい、いわゆる劇症型骨髄腫といわれる症例では、細胞株と同じくBcl-2(-)、Bax(+)のパターンを示した。病像との関連では、病期が進むとBcl-XLの発現が増強する傾向が見られ、また、髄外浸潤例にもBc1-XLの発現が多く見られた。化学療法の前後では、Bcl-2、Bcl-XLの発現は変化せず、薬剤耐性化に直接関わる証拠は得られなかった。以上より、骨髄腫細胞のspontaneous apoptosisにはBcl-2familyの発現が深く関わることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)