Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
1. MLLキメラタンパクの細胞内局在の検討 平成9年度はMLL遺伝子の転座相手遺伝子のうち,核に局在するLTG9遺伝子と細胞質に局在するAF6遺伝子とを用いて,MLL-LTG9及びMLL-AR6キメラ遺伝子を発現させることにより,MLLキメラタンパクは転座相手遺伝子産物の性質に関わらず,核に局在することを明らかにした.また,その核局在性には全ての転座に共通するMLLのN端側領域が重要であることをも明らかにして報告した(Joh et al.,Oncogene 15,1681-1687,1997). 2. MLL上及びMLLキメラタンパクの機能解析 平成10年度はMLL遺伝子の標的遺伝子解明のため,まず,マウス由来の32Dc13細胞を用いて,MLL-LTG9及びMLLのN端側領域(MLL-Zf(-))遺伝子の誘導発現系を作製した.MLL遺伝子ノックアウトマウスの解析において,脊椎骨でHox遺伝子群の発現異常が報告されている.そこで,今回作製した誘導発現系を用いて,Hox遺伝子群の発現について検討した.MLL-LTG9及びMLL-Zf(-)遺伝子を発現誘導すると,Hox a7,Hox b7,Hox c9遺伝子の発現低下が認められた(Joh et al.,Oncogene 18,1125-1130,1999).Hox遺伝子には体節形成のみならず,血液細胞の発生・分化を制御する働きもあることから,MLLキメラタンパクが細胞核内に局在し,正常MLLタンパクの機能をdominant negativeに抑制することによりHox遺伝子群の発現異常をもたらし,その結果,血液細胞の正常な発生・分化が妨げられ,白血病化に働いている可能性が考えられる. 更に,この誘導発現系を用いて,RAP-PCR Differential Display法により,いくつかのMLL遺伝子の標的遺伝子候補を得ており,現在解析中である.
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