各種遺伝子、アンチセンス導入による糸球体上皮細胞の病的反応の解析
Project/Area Number |
09770859
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
佐々木 環 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30187124)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 糸球体上皮細胞 / Cyclin-CDK系 / p21 / TGF-B / Smadファミリー / WT1蛋白 / 細胞周期 / Bowman嚢上皮細胞 / FGF2 / Cyclin-CDK |
Research Abstract |
平成9年度 a) 上皮細胞でのWT1発現意義の検討 平成10年度 a) 糸球体上皮細胞の細胞周期の解析 糸球体上皮細胞は、傷害、増殖刺激下でも細胞周期G1後期に多くの細胞が存在する可能性が示唆され、Cyclin-CDK系の解析から細胞周期のG1からS期への移行を抑制しているCKIファミリーのp21、p27の関与が観察された。傷害を惹起するFGF2投与により、糸球体上皮細胞のp27陽性細胞数の変化は観察されなかったが、p21陽性糸球体上皮細胞はPAN腎症、FGF2投与により増加が観察された。また、多核あるいは2核となり変成像を示す糸球体上皮細胞は、FGF2投与により増加し、同時に癒着病変を伴った硬化病変が多数観察された。この結果からS期へ進行し、次いでM期に入った糸球体上皮細胞は、糸球体係締からの脱落が推測された。この課程においては、糸球体上皮細胞のアポトーシス像は観察されなかった。以上の結果より、糸球体上皮細胞でのp21の発現は、傷害進行への予防的な存在意義が示唆された。 b) 糸球体構成細胞周期と成長因子の関係(待にTGF-B) 各種の糸球体傷害過程モデルを用いて、細胞外基質増加・細胞増殖・抑制などの多種の作用を有するTGF-Bと、シグナル伝達に関与しているSmadファミリーを組織化学的に解析した。各種糸球体腎炎モデルにおいて、傷害極期には糸球体上皮細胞には共通してTGF-B2やTGF-B3の細胞質内への発現増強が観察された。またシグナル伝達係であるSmadの発現も確認され、各種モデルにおいて、糸球体上皮細胞に対する共通したTGF-Bの発現意義が存在すると推測された。以上に結果を併せて考察すると、TGF-Bの細胞周期調節系との関係、特にp21の誘導等が報告されており、腎糸球体傷害時にTGF-Bを介してp21が誘導され、糸球体上皮細胞の細胞周期に関連して傷害を防止している可能性が考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)