Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
胎児期の脳障害の成因を明らかすることを目的とし動物実験モデルを作成し、脳障害の指標として髄鞘化障害に注目し、myelin basic protein(MBP),proteolipid protein(PLP)に対する免疫染色法を開発し、髄鞘化障害に対して定量的に検討した。 【方法】出生後0,7,14,21,28,35,42日のWister系正常仔ラットを体重測定後に断頭し脳を取り出した(対照群)。胎児期低酸素虚血負荷ラットは妊娠15日に片側の子宮動静脈の結紮離断し、妊娠16-18日の3日間、母胎への低酸素負荷(7%)を3時間施行した(負荷群)。子宮動脈結紮4時間前にデキサメサゾン0.1mg/kgを母ラット腹腔内に注射した(治療群)。妊娠22日に帝王切開で仔を娩出し、結紮部位からの3頭について、出生後21日目に開頭して脳を取り出し、ホルマリン固定後パラフィンで包埋した。抗MBP抗体または抗PLP抗体、ビオチン標識IgG抗体を反応させ、ABC法により免疫染色して、画像解析装置で部位毎の染色濃度を測定した。 【結果及び考察】MBP,PLPは日齢7頃から染色され週齢とともに染色濃度は増加した^<1)>。負荷群と治療群はともに体重は対照群と比較して80-90%減少したが、脳重に有意差はみられなかった。HE染色、KB染色および抗MBP抗体・抗PLP抗体免疫染色で有意な変化は認められなかった。負荷群では抗GFAP染色で皮質、脳梁膨大部でGFAP陽性細胞の明らかな増加がみられた。治療群では明らかな増加はみられなかった。白質、基底核で有意な増加はなかった。 【結論】抗MBP抗体、抗PLP抗体免疫染色は髄鞘化障害の判定に有効であった。皮質と脳梁膨大部が子宮動脈結紮+母胎低酸素負荷による負荷では脆弱である可能性が示唆された。デキザメサゾンの負荷前投与が脳障害の発症に予防効果がある可能性が考えられた。 1)Hamano K,Takeya T,Iwasaki N.et al.A quantitative studyof the progress of myelination in the rat central nervous system, using the immunohistochemical method for proteolipid protein Developmental Brain Research.108:287-93,1998
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