Research Abstract |
目 的:Hypocapniaでの心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)のナトリウム(Na)利尿作用の減弱はレニン-アルドステロン系に依存しているか,アルドステロン受容体拮抗薬であるカンレノ酸(Sp)を投与してhypocapniaで減弱したNaのNa利尿作用が回復するかどうかを調べた. 方 法:ラットにカニュレーションした.気管内挿管をし,hypocapniaもしくはnormocapniaとした.腎クリアランス・テスト(CL):hypocapniaを負荷し,CL-1をおこなった.続いてSp8mg/kg静注後,ANP10μg/kg/h点滴静注下にCL-2をおこなった.尿量(V),尿中Na排泄量(UNaV),Na排泄分画(FENa)についてCL-1からCL-2の増加分を△Vμl/min,ΔUNaVμEq/min,△FENa%とした. 結 果:(1)HypocapniaではNaのNa利尿作用が減弱した(hypocapnia+生理食塩水処置+ANP(n=6):△V-7.1±6.3,△UNaV-0.3±0.8,ΔFENa1.89±0.47),(hypocapnia+生理食塩水処置+生理食塩水(n=6):△V-18.3±6.5,△UNaV0.0±1.0,△FENa1.41±0.48).(2)HypocapniaでSpを投与すると△V,△UNaV,△FENaはタイム・コントロールに比べてANP投与で増加し,normocapniaのときと同程度になった(hypocapnia+Sp処置+ANP(n=8):△V55.6±9.6,△UNaV12.7±2.2,△FENa4.16±0.86),(hypocapnia+SP処置+生理食塩水(n=6):△V6.7±7.0,△UNaV5.5±1.1,△FENa1.31±0.78),(ΔV70.0±8.3,△UNaV11.6±1.7,△FENa3.89±0.86).考 察:Spはhypocapniaで減弱したANPのNa利尿作用を回復させる. したがって,hypocapniaではアルドステロンによりANPのNa利尿作用が減弱していると考えられた.
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