Project/Area Number |
09770981
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
安井 智明 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (10291816)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | liver / Ischemia / Reperfusion / Endothelin-1 / Endothelin-A receptor / Endothelin-B receptor / Histocytochemistory / Western blotting / liver, / Ischemia, / Reperfusion, / Endothelin-1, / Endothelin-A receptor, / Endothelin-B receptor, |
Research Abstract |
【目的】 肝臓外科で実際肝切除に付加する肝阻血前後でのET-1の結合部位ならびにET_A、ET_B受容体の局在と発現動態を、形態学的(超微細形態学)に検討する。 【対象と方法】 肝阻血再潅流モデル:8週齢雄性Wister系ラットを用いて、肝門部で60分間肝左葉血行遮断を行い、血行再開前、再開後5分、60分の肝を採取。ET-1の結合部位ならびにET_A、ET_B受容体の局在と発現動態を、各抗体を用いて免疫組織化学的に、光顕ならびに電顕的に観察した。また、各レセプター抗体を用いてWestern blottingによる定量化(ET_A,49KDa,ET_B,51KDa)を行い、組織化学の結果を客観的に裏付けた。【結果】 1.肝組織中のET-1、ET_A、ET_B受容体の局在(阻血前):[ET-1]類洞壁内皮細胞の類洞側細胞膜上にのみ陽性反応が見られ、伊東細胞や肝細胞に陽性反応は見られない。[ET_A]類洞壁内皮細胞及び伊東細胞の類洞側細胞膜上に陽性反応がみられる。一方、一部の伊東細胞に不均一な陽性反応がみられ、肝細胞膜に陽性反応は見られない。[ET_B]類洞壁内皮細胞、伊東細胞の類洞側細胞膜の一部、肝細胞のDisse腔側の一部に陽性反応が見られるが肝細胞間隙の細胞膜上には見られない。2.小葉内分布:ET:及びET_A、ET_Bいずれもzone1はzone-3に比べて陽性反応が強かった。3.阻血後のET-1及びET_A、ET_B発現動態:組織学的に阻血中、阻血再潅流後ET-1及びET_A、ET_Bいずれも発現が亢進するが、ET-1は再潅流60分後、陽性反応はやや減弱した。阻血中、再潅流5、60分後のET_Aの蛋白量は阻血前の2.6、8倍に、ET_Bは12、7、9倍に増加した。 【結論】 肝切除術に際して、エンドセリンによる再潅流障害は阻血再潅流早期よりみられ、その作用部位は類洞壁内皮細胞、伊東細胞のみならず肝細胞も一部関与しているものと考えられる。この組織学的結果は、現在解明されつつあるエンドセリンの生理学的作用機序を裏付けており、また、あらたにエンドセリンが肝細胞にも作用している可能性を示唆している。
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