Project/Area Number |
09771014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thoracic surgery
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
舘林 孝幸 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60236560)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 小口径人工血管 / 抗血栓ポリマー / ミクロ相分離構造 / 冠動脈代用血管 / 抗血栓性ポリマー |
Research Abstract |
2-hydroxycthyl methacrylate-styrene block copolymer (以下HEMA-Stと略す。)は、その親水疎水型のミクロ相分離構造により極めて優れた抗血栓性を示すことが明らかにされている。我々は、外層をダクロン人工血管、中層をポリウレタンで、コーティング、内唐をHEMA-stでコーティングした人工血管を開発した。しかしその吻合部における血栓形成によるため長期開存が得られないのが、現状である。そこで人工血管基材であるダクロン人工血管の壁厚、ポロシティ、編み方を変えた4種類の人工血管を用意し、その吻合部における抗血栓性を比較検討し、小口径人工血管としての適合性を評価した。A型:ポロシティ2700、ニット編み、B型:ポロシティ50ウーブン編み、 C型:ポロシティ50、ウーブン編み、D型:ポロシティ80、ウーブン編みである。【結果1】雑種成犬の両側頚動脈へ4種類の人工血管(人工血管長5cm)を左右に移植した。開存率(1週間)は、 A型5/6,B型0/4、C型2/10.D型2l4であった。【結果2】摘出人工血管吻合部の光顕像:A型では、人工血管内への良好な細胞浸潤を認めた。B,C型では、細胞浸潤は乏しく吻合部は糸のみによって支持されているようであった。D型では、その中間程度の細胞浸潤が見られた。【結果3】走査型電子顕微鏡による観察;4種類の吻合部を除いた人工血管内腔表面は、いずれも優れた抗血栓性を示していた。【考案】 吻合部における血栓形成は、人工血管吻合部における細胞浸潤が良好なほど少ない傾向が見られた。このことより、抗血栓材料を用いた小口径人工血管においての吻合部血栓は、人工血管側と生体側の吻合部接着が良好で、安定しているものがよく、抗血栓コーティング層からスムーズに生体内皮に移行できたものが良い可能性を示唆できた。さらに今年度は、この標本を用い平滑筋のサブタイプの特殊染色を施行し、いずれのタイプが吻合部における治癒に関与しているかを検討している。
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