悪性脳腫瘍の薬剤耐性と耐性遺伝子導入骨髄細胞を用いた耐性克服の試み
Project/Area Number |
09771048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
阿部 竜也 大分医科大学, 医学部, 助手 (40281216)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | glioma / MDR / MRP / チオレドキシン / drug resistance / MDRI / MGMT |
Research Abstract |
悪性脳腫瘍化学療法は重要な補助療法であるが、治療を重ねるにつれ抗癌剤が効かなくなる耐性化現象が観察される。抗癌剤の種類やその作用機序によって耐性のメカニズムは異なるが、我々は悪性脳腫瘍の耐性遺伝子の一つとして多剤耐性関連遺伝子MRPが関与していることを見いだした。MRPは抗癌剤を細胞外に排出するefflux pumpであり、その発現機序の解明と克服は化学療法を行う上で極めて重要である。そこで我々はMRP遺伝子の発現機序を明らかにし、それらを標的とした遺伝子治療の基礎的実験を行い、耐性を克服することを目的として実験を開始した。そこで先ずは脳腫瘍患者標本においてMGMT、チオレドキシン、グルタチオン、メタロチオネイン、MRP及びMDR1遺伝子の発現を免疫染色、in situ hybridizationにて検討し発現の局在を明らかにした。また再発例の手術標本・剖検標本においてRT-PCR法などで検討した結果、治療後にはチオレドキシン、MRPやMDR1などの遺伝子の過剰発現が見られることを見いだし報告してきた。更には臨床薬理学的検討を応用して、化学療法時の抗癌剤の薬物動態をモニタリングし交差耐性を示さない抗癌剤、随伴感受性を示す抗癌剤の抗腫瘍効果についても検討を行い報告した。現在MRP遺伝子などの耐性克服する試みとして、マウス骨髄細胞に耐性遺伝子導入を試みている。これには耐性遺伝子のfull length cDNAを単離後発現ベクターに挿入し、マウス骨髄細胞に耐性遺伝子導入実験をおこなっている。今後は化学療法後これらの遺伝子導入骨髄細胞を移植し抗癌剤の副作用、骨髄抑制能についてさらに検討を加えていく予定としている。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)